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《ブラジル》森林火災=マット・グロッソ州政府が緊急事態宣言=9月はセラードの方が火災多発

2週間以上火災が続いているシャッパーダ・ドス・ギマランエス国立公園(Ciopaer-MT/Divulgação)

 【既報関連】法定アマゾンでの森林伐採や森林火災が国内外で批判されたため、連邦政府が火災対策を発表してから2週間余り経つが、法定アマゾンで最も森林火災が多いマット・グロッソ州政府が9日に緊急事態を宣言、10日付官報に掲載したと10日付現地紙サイトが報じた。
 緊急事態宣言により、同州政府は60日間、入札を行わずに資材を購入する事が認められる。また、連邦政府の支援を求める事も可能となる。
 同州政府は、緊急事態を宣言した理由に、8月に昨年同月比230%増の8030件の森林火災が起きた事を挙げた。1月~8月21日の火災は1万3600件を超え、昨年同期比87%増とされた。今月8日現在の火災は1万9711件に達している。
 同州政府は旱魃(異常乾燥)も原因だと強調。現在の湿度は7~20%で、今月一杯は雨が降る見込みはない。旱魃の時は火災拡大が速く、健康被害も起き易くなる。
 緊急事態宣言を行った州は、連邦政府に対し、緊急事態である事を認めてもらうための報告書を提出する必要がある。
 同州のマウロ・メンデス知事は8月末に、焼畑禁止期間を11月30日まで延長する知事令を出した。同令では、州環境局による森林伐採許可をすべて差し止める事も明記している。
 同州のシャッパーダ・ドス・ギマランエス国立公園では火災が2週間以上続き、観光名所の一つのポルタン・ド・インフェルノ(地獄の門)も被害に遭った。現場脇を通る州道251号線の一部は視界がほとんどゼロになっている。
 同州に次いで森林火災が多発しているパラー州も、8日現在の火災件数が1万3500件を超えた。また、1月から今月8日までの全国の森林火災の件数は10万3千件に達している。
 これは法定アマゾン以外での森林火災も多発している事を示す。連邦政府が法定アマゾンでの火災対策を強化したため、今月に入ってからの森林火災件数は、法定アマゾンの東側に広がる強酸性土壌のセラードの方が多くなった。1~9日のセラードでの森林火災は7304件で、法定アマゾンでは6200件だったが、8月9~9月9日の火災は、法定アマゾン3万245件、セラード1万7438件で、法定アマゾンの方が多かった。