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日本一の弥谷さん初来伯=「そろばんは脳のスポーツ」

道地さん、龍樹君、弥谷さん

 日本の数々の全国大会で優勝し、そろばん日本一の実力を持つ弥谷拓哉さん(18、早稲田大)が来伯した。ブラジルのそろばん塾「平成そろばんアカデミー」で教員を務める道地セシリアさん、同塾生徒の岡田龍樹君、その母親のまゆみさんと共に、3日に来社した。
 弥谷さんが通うそろばん塾と平成そろばんアカデミーが過去に交流を行ってきたことからブラジルに興味を持ち、訪伯したという。8月30~今月6日の滞在で、平成そろばんアカデミーを訪問して交流を行った。
 弥谷さんは7歳4カ月、当時最年少で全国珠算教育連盟の段位認定最高位十段に合格。以後、数々の全国大会などで優勝し続けている。
 そろばん日本一の実力がどれくらいなのか本人に聞くと、フラッシュ暗算を実際に見せてくれた。フラッシュ暗算とは、画面に数字が高速で表示され、最後にその合計数を答えるというもの。日本珠算連盟が設定しているフラッシュ暗算の十段合格基準は、3秒間に3桁の数字15個。
 弥谷さんは目の前でこれを余裕の解答。さらに彼の公式最速記録は1・68秒。非公式では1・5秒台でも解答できたとか。
 弥谷さんによれば特別なコツはなく、「方法は皆同じ。練習を重ねて早くしてきただけ。難しいことはしていない」と穏やかな表情をうかべた。
 ブラジルの水準については「基礎がしっかりできている人が多く、レベルが高い」とのこと。
 そろばんの魅力は「計算が速くなる、集中力が高まるのはもちろん、サッカーなどのスポーツと違い、体格や年齢に関係なく成長できるし、競うこともできる。そろばんも『脳のスポーツ』のようなもの。でもお年寄りや小さな子どもが一緒にできるスポーツは他になかなかないはず」と語った。


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 そろばん日本一の実力を持つ弥谷さんだが、その座を維持するのも苦労があるそう。そろばんは「1日練習を抜くと衰え、それを取り戻すのに3日かかる」とか。弥谷さんも、観光でブラジル滞在中にもかかわらず、夜は毎日しっかり練習したという。そろばんの大会も子どもの夏休みに合わせて行うため、弥谷さんも大会の合間をぬって来ている。どんな競技でも、頂点を維持するのは並大抵のことではないようだ。