【既報関連】森林伐採と森林火災に襲われた法定アマゾン。9州中、2番目に火災の多いパラー州で14日、新たな大規模火災が発生し、州知事が軍の支援を要請したと16日付現地紙サイトが報じた。
大規模火災が発生したのは、パラー州西部サンタレンのアウテル・ド・ションで、広範囲の原生林を焼いた上、同市内のポンタ・デ・ペドラスにも火の手が広がった。
火災発生は14日の夕刻で、15日早朝に消防が消火活動を開始。エウデル・バルバーリョ同州知事は15日17時前に火災はコントロール出来たと発表。出火原因の調査を命じた事も伝えた。
だが、火災は完全には収束しておらず、15日夜、再び、勢いを取り戻した。インターネット上には、燃え盛る炎や炎で赤く染まった空を映した写真が何百枚単位で掲載されたという。
サンタレン消防署のネイ・チト・アゼヴェド大佐によると、15日夜、火の手が確認された地域はアクセスが困難で、携帯電話のシグナルもないため、消防隊同士が連絡を取る事もままならないという。消防は水路と陸路の両方で現場にアクセスする意向で、ポンタ・デ・ペドラスの住民がアウテル・ド・ションとの行き来に使う近道を使って現場に向かった消防士らは延焼を防ぐための伐採も行った。
国立宇宙研究所(Inpe)によると、7月1日~9月15日の同市での火災は昨年同期比で160%増えている。
バルバーリョ知事は15日夜、オニキス・ロゼンゾーニ官房長官と連絡をとったと発表。官房長官は国防省に必要な支援を行うよう指示するとの考えを示した。同知事は散水用の飛行機派遣の可能性を探るため、陸軍のパウロ・セルジオ大将とも連絡をとったという。
火災が発生した地域の住民達は、強風にあおられた火がヴェルデ湖まで広がり、別荘などがある住宅地に至る事を懸念。太陽が隠れ、雨が降る前の黒雲に覆われたような雰囲気さえ生じたが、実際には黒煙だけで、雨は降らなかったと語る観光客もいる。
アウテル・ド・ションに住むモーターボート操縦士のアントニオ・ソウザ氏によると、乾季になると焼畑を行う人は毎年おり、15日も朝から煙が見られたが、強い日差しで気温が上昇した後に気温が下がり始めた頃、風が強まり、一気に火の手が広がったという。