今月11日~17日まで行われたブラジル日本都道府県人会連合会(山田康夫会長)の『第51回移民のふるさと巡り』で、参加者の一部が乗る予定の飛行機が欠航するトラブルに見舞われた。
同機搭乗予定者34人は早朝出発のはずが夜に変更され、真夜中にブラジリアで予定外の仮眠をとらされた挙げ句、帰聖が翌日に。ほぼ徹夜だったにも関わらず、平均年齢80歳前後の参加者は無事に帰り着いた。
今回の全参加者は173人。パラー州のベレン、トメアスー、アマゾナス州のマナウスを巡り、各地でアマゾン移住90周年式典に参加した。最終日前日の16日にマナウスのエドゥアルド・ゴメス国際空港で小型飛行機の墜落事故が発生。参加者34人分の飛行機が欠航となり、予定が大幅に変更となった。
墜落事故では、スコールの影響で小型機が離陸直後に空港敷地内の雑木林に突っ込んだ。乗客と乗員10人が乗っており、幸い死者は出なかったものの、負傷者を救助する人達の安全確保のために航空便の発着が見送られた。
この影響で一行のうち34人が乗る予定だったGOL機が欠航。予定では、一行は17日午前4時45分発の便でマナウスを出発、ブラジリアを経由し午前11時にはサンパウロ市に到着するはずだった。しかし16日の午後に「午前6時、もしくは8時に変更になる」とGOL航空から旅行会社へ連絡があった。
一行は午前2時に起床して3時15分に空港へ到着、午前6時15分には全員が搭乗口に着いた。だが午前8時を過ぎても飛行機が飛ぶ気配はなく、不安な表情を浮かべる一行の横を、別の便で帰る参加者らが出発していった。ようやく10時半になって「キャンセルとなった」と発表。
飛行機は17日午後9時発の便に変更となり、一行は時間までホテルで戻って待機し、午後6時半に再度空港に到着した。途中でGOL航空によって更なる時間変更となりかけたものの、午後9時40分にマナウスを出発。
午前1時半にブラジリアのジュセリノ・クビシェッキ国際空港に到着し、空港のVIP CLUBで仮眠を取った。その後午前6時の便に搭乗し、午前7時45分にようやく帰聖した。
ふるさと巡りに40回以上参加しているという清水秀策さん(85、愛知県)は、「こんな問題は初めて。バスが止まっちゃったことはあったけど、ここまで大変じゃなかったね」と困惑の表情を浮かべた。参加者の中には「もうふるさと巡りには行きたくない」と憤る人もいたが、「ブラジルだから仕方がない」と諦めた面持ちの人も多かった。
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今回の県連ふるさと巡りで、GOL航空を利用した参加者の便が何度も変更となった。元県連会長の本橋幹久さんは「GOL航空はキャンセルが多いようだから心配だった」と漏らす。しかも一度はGOL航空から「21人だけ午前1時の便で出発になる」と発表され、参加者間でちょっとした言い合いにもなった。最終的に全員同じ便で帰れたものの、ブラジリアでは多くの人が眠れない夜を過ごし、サンパウロ到着時には疲労困憊の顔つき。そんな中、弱音も吐かず最後まで元気な様子だった80歳以上の高齢者には脱帽。開拓生活に比べれば大したことない?!