23日に発表された国際サッカー連盟(FIFA)主催の「FIFAベスト」が選ぶ「最優秀ファン」の部門で、ブラジルのパルメイラス・ファンで盲目のニコラス・グレコさん(12)と、その母親のシルヴィア・グレコさんの2人が選ばれた。
この親子はパルメイラスの大ファンで、昨年9月、同チームの本拠地サンパウロのアリアンツ・パルケでのコリンチャンス戦を観に来ていたときの様子がインターネット上で流れ、注目された。シルヴィアさんはいつも、目の見えないニコラスさんのために、口頭で試合の実況中継を行っている。
ニコラスさんは目が見えないだけでなく、5歳のときに自閉症とも宣告されている。
シルヴィアさんはこのときの状況を、「彼には観客の歓声が聞こえるだけで何が起こっているのかわからない気がしたの。だからわかるように全部伝えようと思って」と語っている。
このときの親子の姿を映した映像はユーチューブで公開され、大きな感動と共感を得た。今回の選出の決め手となったファンのネットによる投票でも、亡き息子に代わり、自分の贔屓のチームにとってはライバルとなるチームの応援にかけつけるウルグアイ人の男性や、女子W杯でのオランダ・チームの応援団の女性たちに勝る票を得て受賞した。
シルヴィアさんとニコラスさんは23日、授賞式の会場となったイタリアのミラノに招かれ、受賞の際はスピーチ台にも上がった。
シルヴィアさんは、「こんな世界的に偉大な選手たちの前にいることができるなんて光栄だ。私たちは世界中のサッカー・ファンの代表として今ここにいる」と語り、感謝の意を表した。
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