25日付のブラジルニュースサイトによると、サンパウロ市市役所が24日、17日現在の同市でのデング熱患者は1万6392人で、昨年同期の586人と比べて2697%(27倍)増えたと発表した。人口10万人あたりの発生率は138・78人に増え、16年の139・90人に近づいた。サンパウロ市で最も流行した15年の発生率は890・15人だった。
患者発生数が最も多いのは同市北部の4447人で、以下、南東部3821人、東部3176人と続いている。デング熱は蚊が媒介するため、ゴミなどが山積した所を作らない、溜まり水をなくすなどの工夫が必要だ。
9月13日付本面で既報の通り、ブラジル全体でみてもデング熱患者数は去年の7倍を記録し、死者は591人を超え、14州で流行状態になっているので要注意だ。
一方、サンパウロ州保健局は25日、麻疹(はしか)による死者が2人増えたと発表。今年の麻疹による死者は5人となったと25、26日付地元紙、サイトが報じた。
2人の死者は共にサンパウロ市在住者で、31歳の女性は予防接種を受けた記録がなかった。もう1人は生後26日の男児で、まだ、予防接種を受ける月齢に達していなかった。
サンパウロ市では8月に、42歳の男性と生後9カ月の男児の死が確認されており、死者は合計4人となった。残る1人はオザスコ市在住だった生後4カ月の女児だ。
サンパウロ州での麻疹患者は5139人で、18日発表の4299人より19・5%増えた。ただし1週間での増加率は先週から20%を割り始めた。
また、サンパウロ市の患者は州全体の患者数の56・37%にあたる2897人で、18日現在の2397人より20%増えた。だが、州全体に占める割合は18日現在の55・70%より下がった。これは、サンパウロ市以外の市の患者が増えている事も示唆している。サンパウロ州で患者が確認された市は160から168に増えた。
新たな死者が確認されたため、州保健局は、予防接種を受けていない人は保健所などで接種を受けるよう、再度呼びかけている。また、予防接種の対象となっていない生後6カ月未満の子供を持つ親には、人ごみにさらさない、手洗いなどの励行、換気を良くする、疑わしい症状が現れたらすぐに医療機関を訪れる事などを勧めている。麻疹の主な症状は、発疹や発熱、鼻水、結膜炎、口の中の白い斑点などだ。