2012年にモジ市中心部にオープンしたMNラーメンは開店から7年がたち、独自の進化を続け、その評判は地元ブラジル人にも知れ渡って来た。何が進化と言えば、親会社のMNプロポリス社(和田カルロス社長)は、2018年には有機味噌、今年は本醸造有機丸大豆甘口しょうゆ「伯魂」を開発・発売し、それをラーメンにも使用しているからだ。
日本でラーメンといえば、煮込んだ豚の背脂をスープに入れて浮かべてこくを出した背脂ラーメンもマニアから熱狂的に好かれている。だが、MNラーメンが目指すキーワードは、あくまで「健康」だ。松田典仁会長は「お客さまの安全と安心を最優先する」と断言し、「農薬を使った原料はお断り」を貫く。
化学調味料は一切使わず、スープは野菜、肉、魚、乾燥、果物類などを8時間以上煮込み、コクのある味を抽出する。そのこだわりから、ついにスープに欠かせない有機味噌・しょうゆまで独自開発して商品化した。
松田会長は「香りがあって味が強いのはオーガニックならでは。そのままでも十分に本来の味が楽しめるが、それをあえてラーメンにも使う」という贅沢な味わいだ。原材料である有機栽培の大豆はなかなか手に入らないために、通常より値段は高くなる。だがその分、競争相手も少ない。
隠し味は自社製の塩麹と、本業であるプロポリス業界で1位といわれる同社ゆえにハチミツだ。プロポリスの輸出先1位は中国、2位が日本だそう。強みを組み合わせて、他社の追随を許さない独自の境地を作ろうとしている。
中でも豚骨スープなどはふたを開けたまま3日間も煮込むために、臭みが完全に飛び、特有のくせない。スープを飲むと胸がムカムカしてくるような豚骨ラーメンもある中、ここでは「コクがあるけどさっぱり」を目指す。だから、あえてチャーシューも脂身が少ない部位を使う。
同店が扱うメニューは多いが、一番の売れ筋はズバリ味噌ラーメンとのこと。次いで、醤油と豚骨だとか。変わったところではカレーラーメン、ピリ辛ラーメン、野菜ラーメン、焼きラーメンもある。
有機味噌・しょうゆはリベルダーデ区のスーパー丸海やスーパー「ヒロタ」各店でも売っている。問合わせは同社(11・4790・4600)まで。
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MNラーメン(Rua Coronel Souza Franco no. 813, Centro, Mogi das Cruzes, SP, www.mnlamen.com.br, (11) 4726-2680/2786)月曜定休。火~土(午前11時~午後3時、午後6時~10時)、日(午前11時~午後3時)