ブラジル教育省が9月30日、凍結されていた今年度予算の一部(19億9千万レアル)を凍結解除する事と、内58%は大学や研究所に回す事を明らかにしたと9月30日、10月1日付現地紙、サイトが報じた。
景気回復の遅れによる税収の伸び悩みなどに起因する予算凍結は、連邦大学や国立研究所などの教育・研究活動にも大きな影響を与えており、奨学生などは学業継続にも不安を抱えていた。
予算凍結の対象は外注サービスや学生支援プログラムなどに関する経費(裁量支出の部分)で、清掃や食堂、警備といったサービスを停止する必要に駆られた大学や、9月分を支払ったら残高がゼロになるなどと懸念していた機関も数多い。
凍結解除される19億9千万レの内訳は、大学8億800万レ、国立研究所3億4700万レ、ハイレベル人材養成業務統括所(Capes)2億7千万レ、国立教育研究所1億500万レ、全国教材図書計画(PNLD)2億9千万レ、全国聾者教育研究所(Ines)やベンジャミン・コンスタン院(IBC)といった障害者などの支援機関1100万レ、その他の経費1億6900万レとなっている。
教育省予算は、4月に58億レ、7月にも3億4847万レ凍結されており、今回の凍結解除額は決して十分ではない。今回の凍結解除で、大学関係では裁量支出の30%凍結が18%に、国立研究所は3分の1凍結が17%に各々落ちた。
大学の中には、電気代が払えない、警備会社への支払いが止まり、夜間の授業停止といった影響まで出ていたところがあり、更なる凍結解除が待たれている。
アブラアン・ウェイントラウビ教育相は、残りの予算も年内に凍結解除される可能性があるとしているが、凍結解除の可否は、経済活動が回復して税収が増すという条件付なので、確約されているとはいえない。
教育相は、凍結解除の発表と共に、連邦大学が教育・研究用の資金を増やしたい場合は、民間企業とパートナーシップ契約を結ぶ、Futura―seと呼ばれるプロジェクトを導入するよう推奨した。だが、このプロジェクトは、これから法案を準備し、議会に送る必要がある。連邦大学の多くは、同プロジェクトに難色を示している。