ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル・パラグアイ》イタイプ問題=「ボルソナロの名、出した」=PSL政治家の不正関与疑惑=パ国元公社総裁がCPIで証言

《ブラジル・パラグアイ》イタイプ問題=「ボルソナロの名、出した」=PSL政治家の不正関与疑惑=パ国元公社総裁がCPIで証言

イタイプダム(Anne Hathaway)

 イタイプダムの電力売買に関連し、パラグアイ側に不利になる「疑惑の契約」に関して、同国の議会調査委員会(CPI)でパラグアイ公社・全国電力管理会社(ANDE)の元総裁が、「ブラジル側の代表として参加したボルソナロ大統領の社会自由党(PSL)所属の政治家がボルソナロ一家の名を使って調印に応じた」と報告していたことがわかった。2日付エスタード紙が報じている。
 この問題は、今年5月にブラジルとパラグアイ二国間で交わされ、8月にパ国が破棄した、イタイプダムの電力使用契約に関するもの。
 従来なら、事前に申告した量以上の電力が必要な場合、ANDEが余剰電力を安く購入することができた。だが、今年の合意では、高い料金を払わねばならない申告分の電力量そのものを増やすことを強いられていた。
 また、余剰電力に関する交渉は企業などの仲介者を入れずにできるよう定める項目が入っていたのに、その項目が合意寸前に削除された。そのため、ブラジル企業のレーロス社がブラジル向けの余剰電力の売買を独占することになり、その金額も高目に設定されていた。
 そのレーロス社側の代表として参加したのが、PSLのマジョール・オリンピオ上議の補欠、アレッシャンドレ・ジョルダーノ氏だったことも8月に報じられている。
 今回、同調査委員会でANDE元総裁のペドロ・フェレイラ氏が報告したところによると、ジョルダーノ氏やレーロス社の代表とは、今年の5月10日に両国国境のシウダ・デル・エステでの会合で会ったという。この席で、ジョルダーノ氏は「ブラジル連邦政府を代表してやってきた。パラグアイの余剰電力をブラジル市場で売ることになった場合の影響力を持っている」と話したという。
 会合でジョルダーノ氏は「ボルソナロ」という名前を何度も出したという。フェレイラ氏は「一家の誰のことなのだろう」と思ったというが、「息子のうちの一人ではないか」と仲間うちで話していたという。ジョルダーノ氏は大統領三男エドゥアルド氏と懇意だと報じられている。
 フェレイラ氏によれば、レーロス社が余剰電力をブラジル市場で売買することに興味を持っていることは、この会合の数週間前に首都アスンシオンで行われた別の会合に参加したベニテス大統領から聞いていたという。
 8月の報道の際、ジョルダーノ氏は「レーロス社を代表して行ってはいないし、参加したのは1度だけ」と語っていたが、実際は3度行ったことが報じられていた。