ブラジル地理統計院(IBGE)が4日に発表した家計調査によると、世帯収入で見た社会格差は依然として大きい事が明らかになったと5日付現地紙が報じた。
08/09年と17/18年を比べると、世帯収入が法定最低賃金六つ未満の家庭は68・4%から73%に増加。特に、収入が最低賃金二つ未満の世帯は21・6%から23・9%に増えた。
世帯収入が最低賃金六つ以上の家庭は減っており、最低賃金25以上の世帯は3・8%から2・7%に減った。だが、この2・7%は世帯収入全体の19・9%を占めており、ブラジルの社会格差は依然として大きい。
また、年金や恩給が、世帯収入の多い家庭と少ない家庭の格差をより大きくしている要因の一つである事も判明した。最も裕福な人達が受け取る年金の平均額は4276・02レアルで、最も貧しい層の人達が受け取る額(207・17レアル)の20倍以上だ。
世帯収入が全体的に落ちているのは、長期化した景気後退も原因だが、専門家は、最低賃金による購買力上昇と、各世帯の構成員数の変化も影響しているという。
ブラジルの総世帯数は6900万とされているが、4分の1弱の1640万世帯(約4480万人)の収入は最低賃金二つ未満だ。また、この層の世帯収入に占める労働収入(賃金)の割合は41%(510・18レアル)にしか過ぎず、年金や生活扶助などの社会プログラムによる収入が28・8%、寄付や物々交換、自家栽培など、金の動きを伴わない収入が28・2%を占めている。
他方、世帯収入が2万3850レアル以上の家庭(180万世帯)は、賃金が69%を占める。
世帯収入の平均は5426・70レアルで、労働収入が57・5%を占める。社会プログラムによる収入は19・5%、金の動きを伴わない収入は14・5%を占めるという。前回調査では、社会プログラムによる収入は18・5%だった。