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《ブラジル》社会保障制度改革承認に遅れ?=13日のドゥウセ列聖式のため

イルマン・ドゥウセ(Divulgação Senado Federal)

 13日にブラジル初の女性聖人の列聖式が行われるため、上院での社会保障制度改革案承認がさらに遅れる可能性があると8日付現地紙が報じた。
 13日に福者から聖人に昇格するのは5人で、女性聖職者ではブラジル初の聖人となるイルマン・ドゥウセこと、マリア・リタ・デ・ソウザ・ブリット・ロペス・ポンテスもその中の1人だ。
 1914年にバイア州サルバドール市で生まれたイルマン・ドゥウセは、貧者救済に一生を捧げ、1992年に同市で没した。彼女の名を冠した非営利福祉団体「オブラス・ソシアイス・イルマン・ドゥウセ」は今年5月に設立60周年を迎えた。彼女の列福は2011年で、死後27年での聖人化は世界歴代3位という異例の早さだ。
 社会自由党のマジョール・オリンピオ上議によると、社会保障制度改革案の審議は15日に予定されているが、彼女の列聖式出席のためにバチカン市国に向かった上議達が14日の内に帰国しなければ、第2回目の承認が22日にずれ込む可能性があるという。
 社会保障制度改革案の第2回目承認は当初、10日に予定されていた。だが、職権乱用防止法に対して大統領が拒否権を行使した項目の審議が前倒しされた事などで、2回目の承認は15日以降に先送りされた。
 社会保障制度改革案は1~2日に初回承認がなされたが、その際に承認された修正案により、支出削減効果が大幅に落ちた。政府側がこれ以上の削減効果減を避けたいのは当然だが、承認に向けた票数確保のために議員の帰国を待てば、審議が遅れるというジレンマに陥っている。