携帯電話の通信アプリ、ワッツアップの米国本社が、2018年のブラジル大統領選で違法な方法で大量のニュースがまかれていたことを認める発言を行ったことがわかった。8、9日付現地紙、サイトが報じている。
この発言を行ったのはワッツアップ本社の公共政策と国際選挙担当マネージャー、ベン・サプル氏で、コロンビアで開催されていた「フェスティバル・ガボ」での講演で同件に言及した。
サプル氏は、「ブラジルでは昨年、選挙期間中に、我々の契約条項を破る形で、自動的かつ大量に情報を流す企業が暗躍していた」と語ったという。
ワッツアップは元々、家族や友人同士など、小規模なグループでの通話媒体だが、ブラジルでは情報源として利用している人も少なくない。
サプル氏によると、違法な形で情報を流しているグループをさぐったところ、情報のほとんどが政治的内容で、その大半がボルソナロ氏に関するものだったという。
「そのグループはまるで、扇動的なタブロイド紙のように情報を流していた」「私たちはこれらの巨大グループから退会し、グループを訴えることを勧める」とサプル氏は語っている。
フォーリャ紙は昨年10月の大統領選の一次投票終了後、ボルソナロ氏に好意的な企業がワッツアップでの大量情報送信に関わっていたことや、それを受け取った下請け企業が、高齢者などの納税者番号や名前を使って違法に携帯電話を購入した上、大量送信を実行できる機械につなぎ、自動送信していたことなどを報道した。だが、その問題はそれ以上問われることもなく、ボルソナロ氏が当選した。
だが、この問題はその後も、「国外からのソフトウェアを利用しての送信も行われていた」「情報送信に関わる費用が選挙裁判所に申告されていない」などの報道が続いていた。
何人かの最高裁判事からは、「仮に重大な選挙違反が見つかれば、当選無効もありうる」などの見解も示されていた。