江差追分会ブラジル支部(馬欠場哲巨支部長)の創立30周年記念式典及び祝賀会が17日(木)午後6時半から、サンパウロ市ヴィラ・マリアーナ区のブラジル北海道文化福祉協会(R. Joaquim Távora, 605)で開催される。また、記念公演は20日(日)午後2時から、パウリスタ大通りのMASP(Av. Paulista, 1578)で行われる。
海藤司副支部長は、江差追分について「民謡の王様」と語る。民謡の基本となる技巧が全て入っており、難易度が高く「日本一難しい民謡だと言われている」という。
そんな江差追分会ブラジル支部の創立30周年を祝うため、日本から江差追分会会長で江差町の照井誉之助(よのすけ)町長、同会の国仙敏孝事務局次長、民謡歌手の寺島絵里佳さん、日和義貴さん、尺八奏者の田村壮成さん、小野美香さんの6人が慶祝団として17日に来伯する。
17日午後6時半からは、北海道文化福祉協会で記念式典及び祝賀会を開催。式典では、同支部を始めた石川諭さんや、第1回大会から出場している歌手、第1回大会から司会を務めている藤瀬圭子さんが表彰される。また、慶祝団による演奏の披露もある。
18日には、ブラジルの民族音楽グループ「MAWACA」のスタジオで同グループと慶祝団が共演。19日には、午前10時から江差追分、三味線伴奏、尺八伴奏のワークショップを行う。
20日午後2時からは、MASPで記念公演「夢海(むかい)」を開催。タイトルには「夢を求めて海を渡った移民がもってきた江差追分が広まって欲しい」という思いが込められている。慶祝団を中心に当地の会員も加わる総力を挙げた公演。一般のブラジル人にも分かるようポ語で解説を入れながら民謡15曲を歌う予定だ。
来社した海藤副支部長、久保田紀世副支部長、山崎矢寸志副支部長、北海道文化福祉協会の大沼宣信会長は「今回は若い人が中心となって、民謡をワールドミュージックとしてブラジル人に訴える企画として準備してきた。ぜひ聴きに来てください」と来場を呼びかけている。
17日の祝賀会の参加は一般150レ、会員は50レ。19日のワークショップは50レ、弁当代30レ。20日の記念公演のチケットは60レ。
チケットの購入、問い合わせは久保田副支部長(12・98149・1996)まで。
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北海道の民謡である江差追分について、海藤副支部長は「追分の起源は『牛追いの歌』だが、北海道の江差でニシン漁が盛んな時に、本州からデカセギに来た人がそれぞれの民謡を歌いあい、次第に今の江差追分の形になっていたので、いろんな技法が集約された追分になった」と説明する。そのため、民謡の中でも難易度が高い曲として知られているそう。ところが、面白いことに「ブラジルの大会で優勝する人は、始めて2年目の人など民謡初心者ばかり。むしろ『江差追分は難しい』という先入観を持っていない人の方が、素直に始めやすい」のだとか。今から民謡を始めたい人もは、江差追分から入れば優勝のチャンスがあるかも!?