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《ブラジル》エドゥアルドが念願の駐米大使ついに断念=PSL混乱の収拾に専念か

 7月に駐米大使候補に指名されていたボルソナロ大統領三男のエドゥアルド下議が22日、上院の反対や所属の社会自由党(PSL)の混乱を理由に、大使任命断念を正式に表明。代替候補も発表された。23日付現地紙が報じている。
 エドゥアルド氏による駐米大使断念は、22日、下院での「アルカンタラ基地の商用利用を認める協定を米国との間で交わせるか否か」の全体審議の中で本人の口から出たものだ。
 エドゥアルド氏の駐米大使断念は、17日に、ボルソナロ大統領支持派がエドゥアルド氏をPSLの新しい下院リーダーにしようとする動きが起きたときから予想されていた。エドゥアルド氏の下院リーダー就任は21日に正式に認められた。
 だが、エドゥアルド氏が駐米大使に承認されるかは、それ以前から疑問視されていた。
 ボルソナロ大統領はかねてから、訪米してトランプ大統領と会談した際もエドゥアルド氏を帯同させており、エドゥアルド氏も米国の極右の大物スティーヴ・バノン氏とのネットワーク作りに積極的だった。
 だが、「この指名は縁故採用にあたる」との批判が飛んだ上、エドゥアルド氏の外交経験のなさや実務としての英語能力が疑問視されたことで、上院の審査を通過するかどうかは微妙とみられていた。審査では上院の過半数の41票を獲得しなければならなかったが、一部報道によると15人しか賛同していなかったともいわれている。
 エドゥアルド氏に代わる候補としては、ネストル・フォルステル氏の名前がすでに発表されている。同氏はワシントンのブラジル大使館に勤務しており、ボルソナロ一家が心酔する極右思想家オラーヴォ・デ・カルヴァーリョ氏の友人でもある。
 ボルソナロ大統領は「今は党が大変なときだから」と、エドァウルド氏の断念に理解を示し、「将来的に機会があればそのときに」と語った。