ボルソナロ大統領長男のフラヴィオ上議と三男のエドゥアルド下議(共に社会自由党・PSL)は、連邦議会内で計113人もの側近を指名する権利を有していることが判明した。それらの側近指名には、フラヴィオ氏のリオ州議時代の疑惑職員ファブリシオ・ケイロス氏が関与している可能性がある。25日付現地紙が報じている。
ケイロス氏が指名に関与しているかもしれないとの疑惑は、「オ・グローボ紙」が公開した録音で生じた。6月頃に行われたとおぼしき録音では、ケイロス氏が「大統領の息子2人が側近を求めているので、応募者として名前を書きにきた」「フラヴィオの執務室には上議や下議が列を成して、誰それを職員として使ってくれと交渉しているんだ」などと発言している。
ケイロス氏はリオ州議時代のフラヴィオ氏の職員で、家族を含む他の複数の幽霊職員から1年間で合計120万レアルの振込みを受けていた疑惑が昨年の12月に明るみに出て、国民から強い批判を受けた後、長期間、行方不明となっていた。
フラヴィオ氏は上院の第3書記、エドゥアルド氏は下院の外交委員会委員長職に加え、今回、PSLの下院リーダーにも就いたため、通常の議員が指名できる秘書などの他にも、各役職に関連した職員を指名できる。113人の内24人は、2万レアル以上の月給を受け取ることができる。
フラヴィオ氏がこれまでに指名した職員は、議員執務室に18人、リオ州の事務所に7人、第3書記の仕事のために4人の計29人で、各自の給与は2千~2万7千レアル。フラヴィオ氏は職員経費として50万レアルを使う権利があるが、現在は36万6千レアルを払っている。29人中、2万レアル以上受け取っている職員は9人いる。
フラヴィオ氏がリオ州議だった時代にケイロス氏に対して行われていたような幽霊職員による振込みは「ラシャジーニャ(rachadinha)」と呼ばれ、エドゥアルド氏の元側近で現サンパウロ州議のジル・ジニス氏なども同様の疑惑がかけられている。PSL前下院リーダーのデレガード・ヴァウジール氏はケイロス氏の録音報道後、「ラシャジーニャは止まらない」と皮肉る発言をしている。