【既報関連】アジアと中東を歴訪中のボルソナロ大統領一行が24~25日、中国の習近平国家主席や李克強首相らと会談し、各種の合意や覚書を交わしたと24、25日付ブラジル国内紙サイトなどが報じた。
ボルソナロ大統領は24日に中国に到着。万里の長城などを見学後、企業家との会合やセミナーにも出席した。
25日に交わされた合意や覚書の一つは、ハイレベル人材養成業務統括所(Capes)と中国国家自然科学財団(NSFC)との間での国際的な調査に関する合意だ。
両者の合意はライフサイエンスから生物多様性やエンジニアリングに及び、90日以内に詳細が発表される予定。現時点では、ブラジルの11の研究機関と中国の18の大学との間でのプロジェクトが計画されており、アブラアン・ウェイントラビ教育相はこの合意で新たな研究資金が入ってくるとの期待も表明した。
また、ブラジルにとり世界一の貿易相手国である中国との会合で見逃せないテーマの一つは農業で、加熱処理後の牛肉やふすま状の棉の輸出に関する衛生管理基準も話し合われた。ブラジルは2018年度、中国に5億5700万ドル分の牛肉を輸出、2500万ドル分の牛肉加工品を輸入した。ふすま状の棉は家畜の餌として使われる。ふすま状の棉の輸出は始まったばかりだが、中国は昨年、4億ドル分を輸入した。
両首脳は両国間の関係を後押しするための主要なメカニズムとして、協調と協力のための高レベル委員会(Cosban)の役割を強調。2020年に同委員会の改善と近代化を開始し、2015~21年の共同行動計画と2012~21年の10カ年協力計画を更新する事も確認した。
また、両国外務省は両国間や地域間の諸問題に迅速に対応すべく、種々の監査機関や権利に関する覚書も交わした。
11月に岩塩層下の油田開発に関する入札を予定しているブラジルにとり、燃料やエネルギー部門も重大関心事で、新エネルギー源の開発や再生エネルギー、バイオエネルギー、エネルギーの効率的利用に関する研究に関する合意も成立した。
また、パラー州ベロ・モンテ発電所とリオ州間の送電事業に関し、中国国家電網に事業開始を認める文書も手渡された。この事業への投資額は85億レアルの予定だ。
また、全国産業職業訓練機関(Senai)と中国長江三峡集団公司傘下のCTGブラジルとの間でも、クリーンエネルギーの開発研究センター開設に向けた合意が成立。今後5年間で1億レアル規模の投資が行われる見込みだ。
ボルソナロ大統領はこういった動きを支援する意味も込め、中国人への観光ビザ免除にも言及した。なお、11月には第11回BRICS首脳会議がブラジルで開催されるため、習主席がブラジルを訪問する事になっている。