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〈チリ〉2つの国際会議の中止決定=APECとCOP25を断念

 長引く民衆デモの影響で、チリのピニェラ大統領が、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)の開催を断念すると発表した。30日付現地紙サイトが報じている。
 これらの国際イベントの中止は、30日の午前中に発表された。大統領は「国内で起こっている問題があまりに大きく、誠に残念ながらAPECとCOP25の開催を断念せざるを得なくなった」と語った。
 APECは太平洋側に面している、アジアやオセアニア、米国など、21カ国が参加している。チリは今年の議長国に選ばれていて、11月16、17日の2日間、参加国間の商業や貿易などについての意見を交わすことになっていた。
 また、気候問題の国際会議としてはかなり大きな存在でもあるCOP25は、12月2~13日に開催される予定だったが、これも中止となってしまった。
 APECは特に、米国のトランプ大統領や中国の習近平国家主席など、世界の大物政治家らが集まる機会として注目されていたが、開催がかなわなくなったことで、チリの国際社会でのアピールの場も損なわれた。
 また、COP25の開催中止は、同国の環境活動家や科学者たちを落胆させている。COP25事務局は別の国での開催を模索しているという。
 また、チリではこの他にも、11月23日にサッカーのリベルタドーレ杯の決勝戦「フラメンゴ対リーヴェル・プレイト戦」を開催することになっている。南米サッカー連盟は、同国でのデモが続いていることや、中止に追い込まれたイベントと開催時期が近いこともあり、同国での開催を危ぶんでいたが、チリのセシリア・ペレツ・スポーツ相は30日、同杯の決勝はサンチアゴで行うと念を押した。