サンパウロ日伯援護協会(与儀上原昭雄会長)は「第42回地区組織委員総会」を22日、サンパウロ市の援協本部ビルで行った。各地の地区委員19人と役員ら約50人が出席。年会費は100レアルで据え置くことが決まり、園田明憲委員長から会員の減少が課題として挙がった。
10月19日時点で個人、法人を含む会員数は4503人で、昨年10月末の5010人から約500人減少している。その間の入会が89、退会が596人で、主な退会理由は年会費の3年間未納による自動退会。さらに現在の会員のうち未納者は978人で、今後も会員減少が続くとみられる。
足立操事務局長によれば、年会費未納の会員には支払いの通知を行うが、反応は少ない。「日系社会の困窮者を助け、日系社会の皆が利用して支える援協なのだから、その意義を感じ応援してくれるよう呼びかけていくしかない」と語った。
地区組織委員総会は年に一度開かれ、地域の活動報告、次年度の活動計画を共有する。現在の委員は62人。
地区委員の役割は①援協の情報の地域への伝達②地域の会員の会費徴収③新規会員の獲得④地域の会員の要望を援協に伝える―の4点。
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援協の「第42回地区組織委員総会」で会員減少が議題に挙がったが、会員減少の原因は、数年前の「医療費割引の廃止」だそう。以前は会員に医療費割引を行っていたが、非営利の福祉団体が年会費と引き換えに医療費割引を行うのは、営利目的の保険会社と同じ仕組みになることから違法となった。以後、会員・非会員に限らず高齢者の検査料割引を実施しているが、会員に対する直接的なメリットが見込めず、退会が増えているという。直接の利益はないにしても、日本語がある程度は通じる数少ない医療福祉機関なのだから、利用者は応援の意味も込めて年会費を納めてほしいところ。