4日、最高裁にブラジルを代表する歌手や俳優、映画関係者が集まり、公聴会を行った。カルメン・ルシア判事は冒頭で「ここは検閲について討論する場ではない」と釘を刺したが、話はそちらの流れに。大御所歌手カエターノ・ヴェローゾは「新しい検閲はもう既にはじまっている」とし、ボルソナロ大統領や現政権による表現の自由への干渉に苦言を呈した。カエターノは、「性の多様性」についての規制がとりわけ強まっていると主張した。最近、映画庁などの人事で大統領寄りの人選が行われていることで緊張感が高まっているが、くれぐれも表現の自由への締め付けのないことを祈りたいところ。
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SBT局の社主で司会者のシルヴィオ・サントスが、3日放送の番組の観客とのクイズコーナーで、ナチス・ドイツの敬礼時の決まり文句「ハイル・ヒトラー」を口走り、物議を醸した。これは「ヒトラーの父親の名前は?」との問題に際して思わず口にしたもの。ただでさえ、軍政時代の軍政令5号(AI5)を巡る問題が起きている中でのこの発言は不注意だったか。シルヴィオに対しては、ユダヤ人協会からも抗議の声があがっているという。
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3日に解任されたコリンチャンスのカリーレ監督に続き、5日はアトレチコ・パラナエンセのチアゴ・ヌーネス監督(39)の辞任が発表された。同監督は今年、同チームをブラジル杯で優勝させ、若手の有望株を育てていることでも定評があり、コリンチャンスの後任監督の有力候補だったが、年内はどこの監督も引き受けず、来年まで待つという。