ボリビアで10月に行われた大統領選での疑惑を巡り、エヴォ・モラレス大統領と野党側の対決が激化。チリでは10月中旬からの民衆暴動がまだ収まる気配がない上、失明者が相次ぐなどの問題が発生している。1~5日付ブラジル国内紙・サイトが報じている。
ボリビアでは10月20日に行われた大統領選一次投票の結果を巡り、野党側や反エヴォ派の国民の怒りが収まらないものとなっている。
10月末にはデモが通りを封鎖し、民衆の暴力も加わった。現在までに、数10人の負傷者や死者(少なくとも2人)が発生している。
事の発端は、国民投票で憲法改正に反対する意見が多数だったのに、その結果を無視してエヴォ氏が4選に挑んだこと。さらに、票の開票中に中断が発生し、再開票後にエヴォ氏と2位のカルロス・メーザ氏と票の差が大きくなり、「40%以上の票を獲得した上、2位に10%ポイント以上の差」との条件を満たしたとして、エヴォ氏の当選が発表された。
この当選は米州機構も問題視し、同機構の立会いのもとで票の再開票を行う提案を行い、エヴォ氏もそれをのんでいた。
だが、野党側がこれに強行に反抗。2日には野党の政治リーダーのひとり、ルイス・フェルナンド・カマチョ氏がエヴォ氏に「48時間以内の辞任」を求めた。
カマチョ氏はこの要請以前に「軍による武力介入」なども求めていたことから、4日、首都ラパスの空港で逮捕された。
同じく4日には、エヴォ氏が乗ったヘリコプターに異常が見つかって緊急着陸する事態が起き、緊張が走っている。
一方、チリでは、10月18日から激化したデモが一向に収まる気配を見せないが、軍が至近距離から発射したゴム弾や催涙ガス弾などの影響で、1日現在で1300人以上の人たちが目の異常を訴えて、病院で治療を受けているという。
その内、146人は目に傷を負い、少なくとも26人が失明したと報じられている。
同国内外では、人権保護の観点から、政府側が民衆に対して行った行為を問題視する声が一段と高まっている。