プロミッソン日伯文化体育協会(前田ファビオ会長)とプロミッソン市が共催し、令和時代を祝してサンパウロ州プロミッソン市で「第1回灯ろう流し」が今月2日に開催された。
同イベントには野口泰在サンパウロ総領事、アルツル・マノエル・ノゲイラ・フランコ市長、ノロエステ連合日伯文化協会の安永信一会長が出席。慰霊法要は、リンス西本願寺の岡山智浄住職とマトリズ・デ・プロミッソン教会のアンドレ・レモス神父が執り行った。
岡山住職は、法話で「ブラジルでは、レジストロ市で灯ろう流しが65年間行われており、今年はこのノロエステ地方で始まった。同じように先人を想い継続するように願っている」と語った。
祖先に加え、今年日本で甚大な被害を及ぼした台風19号の89人の犠牲者に弔意を表し、1分間の黙祷が行われた。
前田会長は灯ろう流しを開始した理由を、「この地に貢献した先人に敬意を表するため」とし、「日本では、お盆に死者の魂が家族を訪れると言われており、先人を慰め弔うために灯ろうを川に流すという」と灯ろう流しの意義を説明した。
更に、昨年同地に眞子内親王殿下がご来伯され、今年は新天皇が即位し令和時代になったことに言及し、「新しい時代に始まったこの日本文化の行事が、今後も続くように」と全ての人の繁栄と平和を祈って締めくくった。
参加者らはパトス川河畔の貯水池にいき、野口泰総領事によって〃移民の父〃上塚周平の名前が書かれた灯ろうを浮かべた。また、前田会長は、同地で上塚周平と共に同市の発展に貢献した間崎三三一の灯ろうを浮かべた。灯ろうは約千挺分作られたという。
カフェランジアから参加した平野農村文化体育協会の会員らも、入植僅か半年で80人以上もマラリアの犠牲者となったことを弔うために参加。
イベントでは、ショーや、盆踊り、祭りダンスなども行われた。ジョルナル・ニッパキ紙によれば、前田会長は「次回はアトラクションを増やすかもしれないが、先祖供養の意義を忘れないように執り行っていきたい」と語った。
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今まで灯ろう流しの記事中では、灯ろうを数える際に「基」を使ってきた。これでも間違いではないようだが、主に「石灯ろう」などを数える時に使うよう。灯ろう流しでは「手で提げる灯ろう」を使うので「挺」か「丁」の方が適しているとのこと。やっぱり日本語は難しい?!