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レジストロ=祖先想い灯ろう1500挺流す=打上げ花火、マツリダンスも=連邦文化財の認定申請に署名

盆踊りの様子

 レジストロ日伯文化協会(川尻イリネウ誠会長)と日蓮宗恵明寺は「第65回レジストロ灯ろう流し」を1~3日、サンパウロ州レジストロ市のベイラ・リオ広場で開催し、3日間で約3万人が来場した。リベイラ川に浮かぶ約1500挺の灯ろうに思いをはせ、打上げ花火や盆踊り、太鼓、歌手のステージに盛り上がった。

夜空を彩った打上花火

 灯ろう流しは毎年11月2日、日本のお盆にあたる「フィナードス(死者の日)」に行われる伝統行事。2日夕方、サンパウロ市の恵明寺の石本妙豊導師により、世界平和祈願と先没者慰霊のための法要が厳かに行われ、参列者も焼香に並んだ。法要の後、ほのかに光る灯ろう約1500挺を放流。来場者は広場や近くの道路から、灯ろうがゆったりと川を下る様子を眺めた。
 開会式には川尻会長、ニウトン・ヒロタ市長、楠彰・在サンパウロ日本国総領事館首席領事らが出席。川尻会長は、灯ろう流しを連邦政府文化財に認定してもらうための申請書に署名をした。
 川尻会長(66、二世)は「亡くなった方々を今一度思う素晴らしい機会だ」と意義を強調。高橋国彦副会長(65、福岡県)も亡き両親に想って灯ろうを流したという。「今朝は畑で両親が生前に植えた花を摘んで、感謝を込めてお墓に供えてきた」と穏やかな表情を浮かべた。
 ステージでは連日太鼓、コスプレ大会、歌謡ショーが会場を盛り上げた。午後10時頃には打上花火が夜空を彩り、多くの人が足を止め、しばらく空を見上げた。

法要の様子

 店やステージが並ぶ祭り会場の中心にはやぐらが設置され、盆踊りの音楽に合わせて太鼓を打ち鳴らす中、日系団体や来場者が、ゆったりと盆踊りを楽しんだ。
 サンパウロ市から、ブラジル健康表現体操協会の川添敏江会長ら会員70人以上が駆けつけ、やぐらを囲んで健康体操を披露。見物客も招き入れ一緒に踊り、会場に拍手が響きわたった。
 盆踊りの次は、テンポの速い1990年代頃のJ‐POPが流れ、若者らは「マツリダンス」に熱中。お祭り騒ぎは夜遅くまで続いた。
 隣接する文化施設のSESCでは、相撲や太鼓の教室も行われ、来場者が家族で楽しむ様子が見られた。たこ焼き、焼きそば、手巻き寿司など日本食中心の飲食店、バザリスタが約40店舗並んだ。レジストロ文協はチキン南蛮、冷やし中華、マンジューバの刺身・天ぷらを販売。夕食時には来場者が行列をなした。


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 「第65回レジストロ灯ろう流し」では、レジストロ文協が「チキン南蛮」と「冷やし中華」の販売に挑戦した。同地ではJICAシニアボランティアの田中久美子さんが、日本食を中心とした料理教室などの活動を行っており、文協の商品開発にも携わった。チキン南蛮はサンパウロ市リベルダーデ区などの日本食店でたまに見かけるが、ブラジルの日本食としてはまだ珍しい存在。マット・グロッソ・ド・スル州都カンポ・グランデ市では、沖縄そばが文化遺産、さらには郷土食に正式認定されたが、チキン南蛮もレジストロ市で定着を目指してはどうか?