先月末に上院本会議で2度目の承認がなされた社会保障制度改革の憲法改正(補足)案は、裁可と公布宣言を残すのみとなっている。その改正案には含まれなかった、州や市などの地方公務員の年金制度改革案などを盛り込んだ憲法改正案(並行PEC)が、6日の上院本会議で最初の承認を受けた。
PECの承認には定数81人の上院の6割(49票)以上の賛成が必要だが、6日の本会議では、賛成が56、反対は11だった。
今回承認されたのは基本文書とよばれる改正案の骨子となる部分だ。同案には修正動議が四つ出されており、それらの審議は来週行われ、2度目の上院採決も来週中に行われる見通しだ。PECは、上院、下院両方で2回ずつの承認が必要だ。
並行PECでは、今後10年間で、ブラジル全土の地方自治体の歳出が合計で3500億レアル削減されることを見込んでいる。
政府は元々、地方公務員の年金制度改革も、10月に成立した社会保障制度改革とまとめて行う予定だったが、審議過程で抵抗に遭い、地方公務員の問題は並行PECを作って成立させる方針をとった。
並行PECの上院通過はさほど問題ない情勢だが、定数513に対し、308票の賛成が2回必要な下院での成立は、一筋縄ではいかないだろうと7日付現地紙は報じている。