ブラジル中銀が14日、9月の経済活動指数(IBC―br)は前月比プラス0・44%(季節偏差調整済み)だったと発表した。
IBC―brはブラジルの経済活動の状態を評価する指標の一つで、ブラジル中銀が経済基本金利(Selic・政策金利)を決定する際の材料になる。
IBC―brは、経済の3部門(工業、商業・サービス業、農業)の活動レベルと税収に関する情報を基に算出される。また、「月の中旬に中銀が出すIBC―brは、月末にブラジル地理統計院が出す国内総生産(GDP)の先読み指標となる」といわれている。ただし、GDPは貿易や投資などのデータも加味して算出されるため、若干の違いも出てくる。
9月のIBC―brが出ると、7~9月の第3四半期の数値も自動的に出る。第3四半期の結果は、前期(今年4~6月の第2四半期)比プラス0・91%だった。
9月のIBC―brがまずまずの結果だったため、各金融機関は、今年第3四半期のGDP成長率(12月3日発表予定)、ひいては今年全体のGDP成長率(来年2月末から3月初旬に発表予定)まで、若干の上方修正を行っている。
ブラジル紙が35の金融機関に行った調査によると、今年第3四半期のGDP成長率予測はプラス0・30%からプラス1・0%の間(平均0・40%)で、今年全体はプラス0・90%からプラス1・20%、来年のGDPはプラス1・60%からプラス2・80%と予想されている。
投資顧問会社XPインヴェスチメント社は、「IBC―brやその他の経済指標もまずまずの結果だったことから、ブラジル経済は向こう数カ月も回復傾向だろうと予測する」とした。同社は今年のGDP成長予測を0・90%から1・0%へ、来年を2・10%から2・30%へと引き上げている。
金融各社も概ね同様の動きだ。各社は好調の原因として、「勤続期間保証基金(FGTS)の支払い開始」や「(独立記念日の)9月7日前後のブラジルウィークの小売促進キャンペーン」、「雇用が若干回復したことや、金利の低下によるクレジットの申し込み増加」などを挙げている。(15日付エスタード紙より)
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