ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》選挙高裁が政党結成の電子署名認める=ボルソナロ大統領の新党に有利に=現状ではシステム不整備=新党の選挙参加は可能か?

《ブラジル》選挙高裁が政党結成の電子署名認める=ボルソナロ大統領の新党に有利に=現状ではシステム不整備=新党の選挙参加は可能か?

3日のTSEの風景(Abdias Pinheiro/ASCOM/TSE).

 選挙高裁(TSE)は3日、判事投票4対3で、新党結成の際の署名手続きをネットで行うことを認めた。これで、ボルソナロ大統領の新党、ブラジル同盟(APB)の登録申請でも、電子式による署名が可能となる。だが、この決定はネットで集められた署名に違反がないかを審査する方法などが決まっていない中でのもので、実際に稼動しはじめる時期は未定だ。4日付現地紙が報じている。

 3日にTSEで行われた審理は、APB結党と直接的に関係したものではなく、2018年12月にジェロニモ・ゴエルジェン下議(進歩党・PP)が提案したものの審理だった。
 報告官をつとめたオグ・フェルナンデス判事は、「現行システムでは電子署名の有効性が確認できない」として、反対を表明した。
 これと同様の見方は、最高裁判事でもあるローザ・ウェベルTSE長官とエジソン・ファキン判事も示した。
 だが、ルイス・フェリペ・サロモン判事が「電子化を進めた方がより安全だ」との見解を示して賛成すると、最高裁判事でもあるルイス・ロベルト・バローゾ判事も「電子署名にきちんと対応できる状況を整えてから」という条件付ながら賛成した。
 タルシジオ・ヴィエイラ、セルジオ・バーニョスの両判事は、バローゾ氏が提唱した条件の必要性を認めつつ、「誰もがネットをやる時代に電子署名に対応しないのは時代遅れ」として、電子署名の導入に賛同した。
 同日の審理で電子署名が認められることとなったと知ったボルソナロ大統領は、大喜びし、ネット上でTSEへの感謝を示した。
 ボルソナロ大統領は11月に新党結成を宣言したが、APBが正式に承認されるには、最低限9州以上で50万人以上の署名を集めなければならない。ボルソナロ氏自身も、電子署名が認められない場合、来年10月に実施される全国市長選に参加するための期限といえる3月までの結党承認は無理と見ていた。
 ただ、3日の審理でも確認されたように、まずTSE側が、署名の集計方法や、署名が有効か否かを確認する方法を確立しない限り、電子署名を直ちには集められない状況であることに変わりはない。
 APB担当弁護士のカリーナ・クファ氏も、新党結成を目指す人たちには朗報と、今回のTSEの決定を喜ぶ発言を行った。彼女は、支援者の情報を集めた後に、TSEが持っている、選挙人の指紋登録システムの情報と照合する方法の採用を望んでいる。