ホーム | Free | 当日寄せられたお祝いの声=髙階管長巡錫から始まるブラジルでの布教=年々拡充する別院の施設

当日寄せられたお祝いの声=髙階管長巡錫から始まるブラジルでの布教=年々拡充する別院の施設

檀信徒総回向の様子

祝辞=曹洞宗管長 大本山總持寺貫主 江川辰三

江川辰三・大本山總持寺貫主(佛心寺提供)

 両大本山南米別院佛心寺創立並びに南アメリカ国際布教総監部開設60周年記念行事が本日茲に盛大に挙行されますこと、心よりお慶び申し上げます。
 この記念行事を円成に導くべく、殊に力を尽くされた采川道昭南アメリカ国際布教総監老師、また関係の諸大徳にまずもって祝意と感謝を申し上げます。なにより本日の佳辰を迎えることができましたのも、曹洞宗の教えに共に身心を寄せ、互いに手を取り合い歩みを進められたメンバーの皆様方、そして一仏両祖のみ教えを日々の志にしっかりと据えて、多年に渡る艱難の中でも弛まぬ歩みをなされた諸先人のご尽力の賜物であります。この慶びの日に、改めてその篤いご功績に対し、思いを深く致しております。
 現在、大本山總持寺にはこのブラジルの地から三名の僧侶が修行に来ております。数日来この記念行事の準備と補佐をさせていただいておりました。三名は本山においても日々の修行を放逸にすることなく真摯に打ち込んでおり、日本の修行僧にとっても見習うべき素晴らしい見本になっております。
 折しも大本山總持寺に於きましては、2024年の太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌に至るまで御両尊大遠忌法会を修行いたしております。この法会期間のスローガンである「相承」が示します通り、私たちは祖師方が照らしてくださる法灯の下で共に掌を合わせる法孫であり、そしてその灯の温もりを互いに感じ、共に後世へと繋げる仲間であります。
 本日ご参集の皆様方に於かれましても、何卒この佳辰を機縁に、ご当山の歴史への報恩感謝の思いを今一度新たにして頂きますと共に、益々の発展に向けて今後とも変わらぬご道念を心に携えて頂き、一層のお力添えを頂戴できれば大変嬉しく思います。
 今般のご盛儀に重ねて同慶の念を灌ぎ、お祝いの言葉と致します。


祝辞=大本山永平寺貫首 福山諦法

福山諦法・大本山永平寺貫首(佛心寺提供)

 清風去来の好時節、両大本山南米別院佛心寺創立並びに曹洞宗南アメリカ国際布教総監部開設60周年を迎えられましたこと慶賀に存じ、衷心よりお祝い申し上げます。
 1955年(昭和30年)、現地の皆様のお招きにより永平寺七十一世高階瓏仙禅師様が南米の地をご巡錫されましたことを嚆矢に、その翌年には新宮良範師が南米総監に就任され、その後両大本山南米別院並びに南米総監部が設置されました。
 60年前に心を馳せますと、日本から移民された皆様の魂の拠り所として大陸を奔走された新宮良範初代総監のご苦労が偲ばれます。
 また、今日まで60年の長きに亘り仏法興隆に尽力された国際布教師の皆様、その活動を支え三宝を敬い寺門を護持してこられた多くの皆様に心より感謝申し上げます。
 高祖大師道元禅師様は西天東土、仏祖正伝するところは、恭敬仏法僧なりとお示しになり、「インドや中国で歴代のお祖師様が正しく伝えられたのは、仏法僧の三宝を敬うという事である」と説かれています。
 「仏」とはお釈迦様のことであり、「法」とはお釈迦様の御教えであり、「僧」とはお釈迦様とその御教えを慕い実践する人々のコミュニティーのことです。この三つが仏教徒の宝であるとされております。この三宝を敬うという実践がインドから中国へ、そして日本へと伝わり、今こうして南米の地にも伝わっておりますことは、誠に有り難い事でございます。
 更に高祖大師道元禅師様は「この帰依仏法僧の功徳、かならず感応道交するとき成就するなり」ともお示しです。「この仏法僧の三宝を依りどころとする功徳は、互いの心が通じ合ったときに成就するのだ」とお説きになっておられるのです。
 この度、60周年慶讃の法会が厳修されますことは、正に帰依仏法僧の功徳であることを深く感じるしだいです。
 どうかこれからも、南米の皆様が和合し、正法の興隆と更なる寺門の発展を冀い、お祝いのご挨拶といたします。


祝辞=曹洞宗宗務庁宗務総長 鬼生田俊英

鬼生田俊英・曹洞宗宗務庁宗務総長(佛心寺提供)

 両大本山南米別院佛心寺創立並びに南アメリカ国際布教総監部創設60周年の吉辰を迎えるにあたり、記念慶讃法要が営まれますこと、心よりお祝い申し上げます。
 今を遡りますこと64年前、時の曹洞宗管長、髙階瓏仙禅師が齢80にしてブラジル共和国内を3カ月間にわたり精力的にご巡錫されました。これを端緒として、モジ・ダス・クルーゼス市の禅源寺が創建され、1959年には南アメリカ最大の経済都市であるここ、サンパウロ市に両大本山南米別院佛心寺が創立されました。
 以来60年にわたり、南アメリカ国際布教総監部初代総監新宮良範老師をはじめ、歴代の国際布教総監と国際布教師、檀信徒及び関係各位が苦心惨憺、法灯を護持してこられましたことに、衷心より敬意を表します。
 ブラジル移民船最初の笠戸丸が、1908年にサントス港に入港してより110年を過ぎました。いくつもの海を超えて渡られた方々の心情、はるか祖国を、そして先祖を追慕する心情に思いを馳せずにはおれません。本日の盛典を契機といたしまして、ご当山の今後益々のご隆昌と、檀信徒各位の諸縁如意吉祥ならんことを祈念申し上げますとともに、信仰に生きる人びとの拠り所としてあり続けることを冀うものであります。
 本記念行事においても梅花講の皆さま方のお唱えが堂内いっぱいにこだまし、宗歌としてもうたわれます、正法御和讃には、「代代に伝うる道はしも、余処に類は荒磯の、波も得よせぬ高岩に、かきもつくべき法ならばこそ」とございますとおり、どこまでも終わりはなく、ときに道筋は険しいこともあるでしょうけれども、南アメリカ国際布教総監部が、一仏両祖のみ教えを敷衍するための拠点として飛躍し、竿頭より一歩を進めるべく布教教化の充実と展開が図られますことを大いにご期待申し上げ、お祝いの言葉といたします。


祝辞=在サンパウロ日本国総領事 野口泰

野口泰総領事(佛心寺提供)

 この度、曹洞宗両大本山南米別院佛心寺創立並びに南アメリカ国際布教総監部開設60周年を迎えられますことを心よりお慶び申し上げます。
 本年、ブラジルは日本人移住111年を迎えました。また、日本では新しく令和の時代が始まりました。これまでの長い歴史の中で日本人移住者の方々が幾多の困難に立ち向かわれた際に、曹洞宗が寄り添い日系社会の発展に寄与してこられたことに対し深い敬意を表します。
 最後に、曹洞宗両大本山南米別院佛心寺並びに南アメリカ国際布教総監部に今後益々のご発展とご多幸を心よりご祈念し、私の挨拶と致します。


祝辞=ブラジル仏教連合会会長 浄土真宗本派本願寺南米開教区開総長 梶原俊栄

梶原俊栄・仏連会長(佛心寺提供)

 曹洞宗両大本山南米別院佛心寺創立並びに南アメリカ国際布教総監部開設60周年、衷心よりお慶び申し上げます。
 当ブラジル仏教連合会は1957年12月、成道会を期して、当時トマス・デ・リーマ街に在った曹洞宗の事務所に於いて結成され、今日でも佛心寺様はリベルダーデ区域に在るため、リベルダーデ広場で開催される『花まつり』、文協大講堂で開催される『移民追悼法要』等、当連合会の一年間の主な行事に大きなお力添えを頂き有難く存じます。
 今後とも、佛心寺様の益々のご繁栄を念じ、当連合会へも変わらぬご支援を願いつつ、甚だ簡単でありますがお祝いの言葉と致します。
合掌


祝辞=ブラジル日本文化福祉協会会長 石川レナト

石川レナト文協会長(佛心寺提供)

 曹洞宗両大本山南米別院佛心寺創立並びに南アメリカ国際布教総監部開設60周年記念を迎えられ、60周年記念誌を発行されますことを、心よりお喜び申し上げます。
 貴山は、遠く故郷を離れ異文化に身を置いた日本人移民とその子孫達の心の拠り所である事はもとより、60年経った現在は非日系人のメンバーも多く抱えるなど、深くこの地に根をおろされました。
 さて昨今の世の中は科学の進歩が目覚しく「AI-人工知能」などと言う言葉をよく耳にするようになりました。このように高度な技術であればある程それを扱う人間の資質が問題となります。それを思案する時、人間の精神文化の中核を担う宗教が果たすべき役割は殊更重要になると考えます。貴山に於かれましてはこの重責を担い人類の指針となって頂くことを期待しております。
 最後になりましたが、貴山の更なるご繁栄と、皆様方のご健勝とご多幸を祈念申し上げ、お祝いの言葉と致します。


祝辞=ブラジル日本都道府県人会連合会会長 山田康夫

山田康夫・県連会長(佛心寺提供)

 曹洞宗両大本山南米別院佛心寺創立並びに南アメリカ国際布教総監部開設60周年おめでとうございます。
 また、平素はブラジル日本都道府県人会連合会が主催しております、イビラプエラのブラジル日本移住先没者慰霊法要に関し、ブラジル仏教連合会の一員として、先没者の慰霊法要を行いくださり誠にありがとうございます。感謝申し上げます。
 佛心寺はブラジルの東洋人街といわれるリベルダーデ区にあり、多くの移住者にとって心を癒してくれる拠り所であり、日本を象徴するお寺です。
 また、単に宗教活動を行うだけではなく、開設時には日本語教育を行い、移住者の子弟教育に携わり、多くの人材を育て日系社会に輩出し、その発展に尽くされました。
 現在では書道、墨絵、華道、料理教室、コーラス教室などを開催し、日系人だけではなく、日系以外の方に対する日本文化の普及活動にも大きく貢献しています。
 このたび還暦を迎えた佛心寺ならびに南アメリカ国際布教総監部が今後益々発展し、更なる貢献を果たされるよう願っております。


謝辞=曹洞宗南アメリカ国際布教総監 采川道昭

采川道昭・曹洞宗南アメリカ国際布教総監(佛心寺提供)

 御開山髙階瓏仙禅師様が日本からの移民の方々の要望にお応えになり、この地にご巡錫されたのが1955年のことでした。その後に初代新宮総監がご着任なされ、更に歴代の総監と檀徒が一つになり法灯が脈々と相承されて参りました。
 この正法興隆の情熱を持って、2009年には大鑑閣を建立し、50周年の慶賀を迎えることができました。それから10年後の本年、大鑑閣に納骨位牌堂としての瓏仙堂と小ホール待鳳堂を増築することが出来ました。また両大本山の多大なるご援助を頂戴し、購入することが出来ました隣接地を盡光苑と命名し、三界萬霊に供養と感謝をささげる公園を開設することが出来ました。
 これも偏に両大本山、宗務庁、御開山髙階禅師様法系の皆様、そして全国のご寺院様はじめ南米の檀信徒皆様のご法愛の賜物であると受け止め衷心より感謝致し甚深に御礼申し上げます。
合掌


御礼のご挨拶=佛心寺理事長 伊藤パウロ勉

伊藤パウロ勉・佛心寺理事長(佛心寺提供)

 日本はさわやかな秋風がわたり、ブラジルでは青葉繁れる好時節、はるばる日本より、また南米、北米、ヨーロッパ、世界各国より御寺院様のご臨席を賜り、荘厳のうちに、佛心寺創立60周年の記念式典を執り行っていただき、誠にありがとうございました。
 さて思い起こせば、ブラジル、南米の方々の佛心開発の道場として大鑑閣が完成したのは10年前のことでした。それ以降、采川総監のもと宗侶、檀信徒一同、乳水の如く和合し、更なる精進辨道に励んで参りました。
 そしてこの度念願がかない、大鑑閣に屋根を葺くことができ、また街の喧騒とは打って変わって静寂に包まれた盡光苑の完成をまみえました。これもひとえに日本の御寺院様方をはじめ、管内の宗侶、檀信徒、多くの方々のご理解とご協力の賜物でございます。言葉に尽くすこともできませんが、檀信徒を代表し、喜びを込めて、厚く御礼申し上げます。
 結びにあたりまして、御協力賜りました御寺院様方の益々のご発展と御来場の皆様方の御健勝御多幸を祈念致しまして御礼の言葉と致します。