7日に発表されたダッタフォーリャの世論調査で、経済回復への期待から、ボルソナロ大統領の不支持率の伸びが8月の調査時より弱まった。だが、今回の結果は、貧富の格差や人種の軋轢を強く感じさせ、さらに「大統領の言動を全く信じない」と答えた人が43%もいるなど、大統領の言動に対する信用が低いことを伺わせている。8日付現地紙が報じている。
今回の調査は5、6日に176市2948人を対象に行われた。ボルソナロ政権への評価は「よい/最高」が30%で、前回の29%より微増。「悪い/最悪」は36%で、前回の38%より微減、「普通」も32%と前回の30%より微増となったが、全体として見て、国民が3分された状況なのは今回も変わらなかった。
支持率が微増、不支持率が微減した背景には、8月に起こったアマゾン森林火災での国際的批判のような大きな問題がなかったこと。そして、国内総生産(GDP)や失業率で若干の改善が見られたことなどで、景気回復への期待が高まったことなどが挙げられる。
それは、今回の支持率の内訳にも表れている。支持率を上げるのに貢献したのは「企業家」、「最低給与5倍以上」「(白人居住者の多い)南部」の人たちで、彼らの中での支持率は各々、50%、44%、40%と高い。「福音派」「白人」「男性」でも35%以上の支持がある。
その一方、「黒人起源の宗教信者」「(黒人の多い)北東部」、「先住民」の間での不支持率が各々、55%、50%、50%と高い。また、「最貧層」「若者(16~24歳)」「女性」の間でも不支持率は40%以上だ。
また、政権とは別に、大統領への信頼感に関しては、「ボルソナロ氏が大統領に相応しい」といつも考えている人は14%で、「まったく相応しくない」と思っている人も28%いた。「大統領の発言を信じるか」では、「常に信じる」が19%の一方、「たまに信じる」が37%、「全く信じない」が43%と、かなり低いことも明らかになっている。
ネットを中心に「ボウソナリスタ」と呼ばれる熱心な支持者を抱えていることで知られるボルソナロ氏だが、それは国民の14%だったということでもある。
なお、ボルソナロ大統領の今回の不支持率の36%は、民政復帰後の大統領1年目の最後の数字としては、コーロル大統領が1990年に記録した34%を上回るワースト記録となっている。