2~13日にマドリッドで開催されている気候変動枠組条約締約国会議(COP25)に参加中の企業が、ブラジル政府にもっと柔軟な姿勢をとるように求めている。
ブラジル政府はこの会議にリカルド・サレス環境相らを派遣し、パリ協約第6条に基づくカーボン市場(マーケット)で、なるべく有利な立場につく事を狙っていた。
カーボン市場とは、先進国が自分達に代わって温室効果ガス削減努力をしてくれる国に資金援助を行うシステムだ。同システムは、森林伐採の削減や植林、化石燃料から再生可能な資源へのエネルギー源乗り換えなどの温室効果ガス削減策を支援するために設けられた。
だが、COP25に参加していた、持続可能な開発のためのブラジル企業審議会(CEBDS)のメンバーは、ブラジル政府がもっと柔軟な姿勢をとるよう求めている。同審議会議長のマリーナ・グロッシ氏の言葉を借りれば、「ブラジルはカーボン市場を一つの機会としてみる必要がある」のだ。
カーボン・クレジットを受け取るためには温室効果ガスの排出量削減が必要だが、排出量を減らすには、経済活動を削減し、国内総生産(GDP)を減らさねばならないと考えるか、何か特別なプロジェクトや対策を講じる事で排出量を削減しようと考えるかで、方針が変わってくる。
グロッシ氏の言葉は、「法定アマゾンの森林伐採などへの言及は、ブラジルの主権を無視したものだ」と主張したがるブラジル政府が、前者のような考え方を止め、後者のような発想を持つように促すものだ。
CEBDSには、Ambev、ナトゥーラ、オ・ボチカリオ、ヴォトランチン、ブラデスコ銀行、イタウ銀行といった大手企業や企業体が参加している。ブラジルのGDPの45%に相当する収益を上げているグループからの提言を、ブラジル政府がどのように受け止めるかにより、現政権の環境政策は大きく変わってくるに違いない。(12日付exame誌サイトより)