ダッタフォーリャによる2020年のリオ市長選挙に関する世論調査が行われ、現職のマルセロ・クリヴェラ市長(「共和主義者」党)の不支持率が72%に達し、再選を目指す市長選でも1、2位に水をあけられての3位に甘んじていることが明らかになった。15日付現地紙が報じている。
リオ市は、財政破綻、治安悪化、警察による子供の殺害、保健スキャンダルなど、現代のブラジルの社会問題が様々な形で噴出しており、来年の市長選の動向はとりわけ気にされているところだ。
まず、クリヴェラ現市政の支持率をみると、支持している市民はわずか8%しかおらず、拒絶反応を示している市民は実に72%に上っている。
クリヴェラ氏はウニベルサル教会の牧師だったため、同教会との強い結びつきが以前から言われているが、同氏の支持者の26%は福音派の新ペンテコスタル派だ。
調査が行われたのは11~13日で、10日にはじまった医療関係者のストの影響もあってか、「現市政での主な問題点は」との問いに対する答えは、「保健」の68%が最高だった。また、暴力も12%と高い。
来年の市長選の支持率で1位となったのは前市長(2009~2016年)のエドゥアルド・パエス氏(民主党・DEM)の22%。同氏の支持者の内、24%は裕福な市北部の居住者だ。
また、2位は、2016年の市長選でクリヴェラ氏と決選投票を争ったマルセロ・フレイショ下議(社会主義自由党・PSOL)で、18%。昨年3月に殺害されたマリエレ・フランコ元リオ市議の元上司として知られる急進左派の同氏は、支持の34%を貧困地帯である南部や若者から受けている。
クリヴェラ氏の支持率は8%で3位。以下、マルタ・ロシャ氏(民主労働党・PDT)7%、エドゥアルド・バンデイラ氏(レデ)6%、べネジタ・ダ・シウヴァ氏(労働者党・PT)4%、アレッサンドロ・モロン氏(ブラジル社会党・PSB)2%と、左派候補4人が続き、ボルソナロ大統領の旧党・社会自由党(PSL)のロドリゴ・アモリム氏は8位に甘んじている。
また、同市では宗教色の強い保守派への拒絶率が高まっている。ウィルソン・ヴィッツェル・リオ州知事(キリスト教社会党・PSC)は、支持率が18%、不支持率が40%となっている。下議時代はリオを選挙区にしていたボルソナロ大統領への不支持率も、全国平均の36%を上回る41%を記録している。
また、ウニベルサル教会への反発も強まっており、同教会のエジル・マセド大司教の推薦する候補には「票を入れたくない」と答えた市民は、82%に上っている。