クリスマス(ナタール)が近づき、歳末商戦や恒例行事などの報道が続いているが、この時期ならでは暖かい心の触れ合いを報じるニュースも伝わってきている。
その一つは、サンパウロ州サンカルロス市の消防士達が、8歳のカウエ君の要望に応えた話だ。
カウエ君は小さい頃から消防士が大好きで、消防車が通ると、「お母さん! 消防士だ! 消防士が通るよ!」と歓声を上げていた。消防車を欲しがる同君に小さな玩具を買ってやったという祖母のマリア・アパレシーダさんは、「いつか、お前のヒーローの消防士さんに会わせてあげるね」と約束していたという。
そんなカウエ君がある日、消防士に会いたいと訴える手紙を書いたのをみて、母親が清書し、消防署に届けたところ、消防士達が12日にカウエ君の家に来て、同君が望んでいたハグ(抱擁)をプレゼントしたのだ。
「僕達が家まで行ったら、おばあさんが迎えてくれた。とても気持ちの良い家族で、カウエ君は喜んで涙まで流してくれた。同君の弟も来て、僕達に抱きついてきた上、将来は消防士になりたいと言ってくれた」と語るのは、消防士のジェッシカ・ムチネリ氏だ。
カウエ君とその家族は消防士達の毎日を体験して見ないかと招待され、カウエ君が1日消防隊員を務めた。カウエ君は大喜びして、「とっても嬉しい。僕もいつか大きくなったら、彼らみたいに人の命を救う消防士になるんだ」と語った。
「子供達は消防士という職業をヒーローのように思っている。消防士の制服を着て、消防車に乗り、消防署を訪ねて見たがっている子供も沢山いる。こんな機会はめったにないけど、とっても感動的だね」と、軍曹のエデル・ポレッチ氏も微笑んだ。
他方、連邦直轄区ではバーニョ・ド・ボンと呼ばれる団体のボランティア達が、83人の路上生活者にクリスマスのプレゼントを用意している。
国立図書館の敷地内でのフェスタは15日午後7時からの夕食がメインで、参加者は昼過ぎ(0時半)からシャワーを使い、清潔な服を受け取った上、散髪や化粧、マニキュアといったサービスも受けて準備を整える。参加者が使うシャワーは、バスを改造して作られた特別製だ。
プログラムには、クラウヂア・ベングトソン氏が創立した成人向けバレエプロジェクト“ポル・ケ・ノン!?”によるバレエの上演や、“コロ・ヴォクス・ムンディ”による音楽の演奏も組み込まれている。
ザ・テイスロ・ブラジルという番組担当シェフのラケル・アマラル氏の用意した夕食でおなかもくち、音楽やバレエで目と耳を肥やした人達が、心も体も満たされたクリスマスを過ごせる事を、主催者達は願っている。(12、13日付G1サイトより)