ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ウベルランジア市議の大半20人を逮捕=検察の不正契約容疑捜査で=27人中、残った市議6人

《ブラジル》ウベルランジア市議の大半20人を逮捕=検察の不正契約容疑捜査で=27人中、残った市議6人

フェラス市議会議長の執務室に踏み込む警察(G1サイトより)

 ブラジル南東部、ミナス州ウベルランジア市の市会議員、全27人中20人が、ミナス州検察が16日に行った二つの一斉検挙作戦によって逮捕されたと、17日付現地紙が報じた。
 逮捕者の中には、エリオ・フェラス議長(民主社会党・PSDB)も含まれている。同氏の自宅からは16万レアルの現金と、80万レアルの小切手が見つかった。
 一斉検挙作戦の内の一つ、グアルディアン作戦は、市議会が行った警備会社との不正契約容疑に関する捜査だ。
 検察によると、市は22人の警備スタッフと契約したことになっているが、実際に勤務に当たっているのは16人だけだ。警備会社オーナーと市議会議員たちの銀行口座の動きなどから、検察は汚職を発見した。
 検察はさらに、警備会社と市議との間のメッセージアプリによるやり取りも入手。メッセージの中には、議会関係者が警備会社に対し、警備員の人数に関して、検察に虚偽の供述を行うように要請したものもあった。
 もう一つのマー・インプレッソン作戦は、市議会と印刷会社との不正契約容疑に関する捜査だ。
 市議たちの要請を受けた印刷会社が、実際には作成もしていない案内状やカードなどの名目で偽の領収証を切っていたことや、嫌疑をかけられた会社にはそれらのサービスを提供するための資材を購入するための資金さえなかったことを示す証拠を検察は掴んだ。
 印刷所絡みの汚職に関与したとされる市議の1人が所有する不動産に踏み込んだ警察は、レアルとユーロ、ドルの紙幣、総額100万レアル相当を押収した。
 ウベルランジア市組織犯罪対策特別班(GAECO)のコーディネーター、ダニエル・マロッタ・マルチネス氏は、「市議たちがさまざまな口実で印刷会社2社から偽の領収証を受け取った形跡を発見した。印刷会社2社の内1社は既に閉鎖されている」と語った。
 二つの市議一斉検挙作戦では、17人の企業家と20人の市議が逮捕された。
 逮捕状が出された市議の中には、フェラス議長以外にも、市内の通学バスに関する不正契約容疑で1カ月前に職務停止処分になっていた2人の市議も含まれている。職務停止議員のジュリアーノ・モデスト氏(連帯・SD)は、10月25日から拘束されており、アレシャンドレ・ノゲイラ氏(社会民主党・PSD)は13日から電子足輪を付けている。
 ヴィルマール・レゼンデ市議(ブラジル社会党・PSB)は、16日夜の時点で居所が分からず、逃亡者扱いとされた。
 市議会議長付広報は15日、フェラス議長はGAECOによる行動に驚いており、検察からの情報が出るまでコメントを控えるとした。
 全27市議中、20人が逮捕、1人が逃亡中という状況下、逮捕状が出ていない市議の内で最高齢のアントニオ・カリージョ下議(PSDB)が臨時で議長を務める。