児玉哲義さん(54、二世)=静岡県浜松市在住=が、新たに空手団体「世界武士道空手連盟魂誠會」を設立し、活動を行っている。児玉さんが来伯した際、9日に本紙で話を聞いた。
児玉さんは以前、空手団体「世界空手道連盟士道館」の支部道場として指導を行ってきた。50歳を迎えて独立を決意し、2016年に浜松市に「魂誠會」本部を開設した。
道場では柔道とキックボクシングの指導も行っている。指導に武士道の精神を取り入れ、礼節なども教える。現在本部には日系ブラジル人を含め50~60人の生徒がおり、中には全日本空手チャンピオンになった逸材もいるという。
浜松市の本部の他にブラジル(佐々木浩治支部長)、アルメニア、スリランカ、ネパール、モロッコと5カ国に支部を構え、児玉さんの友人や弟子が講師を務めている。
児玉さんは浜松市で、来年の東京オリンピック・パラリンピックに関する事業にも携わっている。東京五輪では、オリンピックの7競技、パラリンピックの全17競技について、ブラジル代表選手とその関係者ら650人以上を、浜松市が事前合宿地として受け入れる。
パラリンピックについては、練習会場の準備や選手のサポートを行うボランティアを現在募集中。すでに約1500人が集まっている。
児玉さんは、日本で日本人とブラジル人の文化交流、相互理解を目的に活動を行う日伯交流協会の副会長も務めており、同協会は東京2020浜松ホストタウン推進協議会メンバーだ。
東京五輪に向けた市内のスポーツ関連イベントでは、同協会がシュラスコの試食・販売、日本移民に関する展示など、ブラジル文化の発信を行っている。「日本にいる日系ブラジル人子弟に、ブラジル人の頑張っている姿を見てもらいたい」と児玉さんは語った。
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静岡県浜松市で独自の空手道場を開き、来年の東京五輪に向けてブラジル文化の発信活動などを行う児玉哲義さん。同地では選手団の宿泊先となるホテルで、調理師がブラジル料理を練習している最中だとか。試しに児玉さんがフェイジョンを味見したところ、「思った以上においしかった」とのこと。東京五輪をきっかけに、浜松市でブラジル料理が普及するかも?