連邦議会は17日、両院合同の予算委員会を開き、総額3兆6870億レアルの来年度予算案を承認。予算案はその後、両院合同本会議でも承認されたと、18日付現地各紙が報じた。
来年は全国5570市で一斉に、市長選、市会議員選(統一地方選)が行われる。そのための選挙支援金(フンド・エレイトラル)として、約20億レアルが割り当てられることが決まった。
中道連合である、セントロンを中心とする各政党のリーダーたちは38億レアルを望んでいたが、それを議会で通しても、その後、ボルソナロ大統領に拒否されることを危惧して、20億レアルに落ち着いた。
この20億レアルという額は、2018年の総選挙(大統領、知事、連邦議員、州議員を選出)時の選挙支援金17億レアルを上回る。議員たちは、「民間企業からの選挙献金が禁止されたため、より多くの公的資金からの援助が必要になった」と増額の理由を説明している。
政党ノーヴォは、来年の選挙支援金を13億レにすべきと主張したが、退けられた。
来年の選挙は、これまでと違い、資金のほとんどが公的資金で賄われる初めての選挙だ。個人献金も認められてはいるが、献金者の前年の収入の1割を超えてはいけないという制限がある。
選挙支援金は政党ごとに割り当てられる。その後の割り当ては各政党の選挙戦略による。
また、承認された予算案には、2020年の政党支援金として9億5900万レアルが計上されている。政党支援金は政党の活動資金援助のためのお金で、名目上は選挙資金ではないが、選挙年はしばしば、選挙資金にも使われる。
進歩党(PP)リーダーのアルトゥール・リラ下議は、「『質素な選挙』、『金のかからない選挙』の主張も、行き過ぎれば扇動的で偽善的になる。30以上の政党にとって、選挙支援金は唯一の頼みの綱だ」と主張した。
また「選挙に公金がかかる方が、むしろけしからん。選挙支援金をやめて企業献金復活を」との主張も出た。
この主張に対しブラジル共産党(PCdoB)のオルランド・シルヴァ下議は、「音楽バンドのギャラを払った人間が演奏する曲を決める(「政治家が献金した人のいいなりになる」の例え)なんてことになる」と批判した。同下議は、選挙資金は選挙支援金を中心に賄う方が良いとの立場を取った。
法定最低賃金1031レアルに
また、来年予算案の中で、来年の法定最低賃金は、今年の998レアルから3・31%アップの1031レアルとなることも決まった。
法定最低賃金は低所得者層の収入を底上げするが、政府の社会保障支払いなどの係数でもあるため、今後も、大統領府、経済政策スタッフらの精査によって、さらに変更される可能性がある。