【既報関連】パラー州サンタレン市の環境保護区で9月に起きた大規模な森林火災に関し、同州市警が20日、11月26日に逮捕したが2日後に釈放したNGO(非政府団体)所属消防士らを放火などの容疑で告発したと20日付現地紙サイトが報じた。
9月14日に環境保護区アウテル・ド・ション内3カ所で発生した火災は、消火活動が難航。ポンタ・デ・ペドラスの住宅地脇まで広がった後、16日のヘリ出動も経て、17日に鎮火した。
この時、現場に最初に駆けつけたのは、NGOのブリガーダ・デ・アウテル・ド・ション(BAC)所属消防士で、軍警所属の消防隊や陸軍は、ネリオ・アギアル市長の要請でエウデル・バルバリョ知事が派遣した。
市長は消防士に続いて火災現場に到着し、消防隊は来ていない事を見た1人だ。同市長が9月15日に州知事に送った、「アウテル・ド・ションの火災は不法侵入者の占有地で起きており、警察が背後にいる。地元住民は武装して歩き回っており、消防隊も消防士達と一緒でないと行動しない。土地を不法分譲するために火災を起こした犯罪者を見つけ、逮捕するため、消防と共に軍警も派遣してもらいたい」という音声メッセージは、12月2日にメディアが流した。
市長の見解は同地域の環境保護区への不法侵入や不法分譲を捜査している検察庁の見解と一致しており、国際的な関心と寄付を得るため、BACの消防士達が森林に放火した上で火災現場の写真を撮り、国際環境NGOのWWFに売りつけたという、市警の見解とは異なる。
検察庁が不法侵入などで起訴した人物は昨年9月に有罪判決を受けた。9月の火災はこの人物が侵入した国有地でも起きており、連警が続けて捜査している。
他方、市警は11月、BACをはじめとする地元NGOとWWFを家宅捜索し、ボランティアの消防士4人を逮捕。四つのNGOは皆、疑惑を否定しており、国内外から市警の見解を疑問視する声が出ていた。だが、証拠不十分などの理由で消防士が釈放された後に任命された市警責任者は前任者の方針を踏襲、消防士ら告発に踏み切った。
今回告発されたのは、11月に逮捕された消防士と、訓練は受けたが活動には未参加の消防士1人の計5人で、放火や犯罪組織形成などの嫌疑がかけられている。