【既報関連】リオ州検察局は19日、ボルソナロ大統領長男のフラヴィオ上議には約230万レアルに上る資金洗浄の疑いがあると発表。また、「汚職の指揮者」との見方を固めている。それに対し、フラヴィオ氏も反論を試みている。20日付現地紙が報じている。
リオ州検察局は、フラヴィオ氏による資金洗浄額を230万レアルとしているが、その内、160万レアルは、フラヴィオ氏がアレシャンドレ・サンチニ氏と共同経営しているコペンハーゲン社のチョコレート店「ボウソチニ・チョコラテス・エ・カフェス」の売上を通して、63万8400レアルは妻と購入したコパカバーナのアパート2軒の購入費に見せかけて洗浄したと見ている。
検察によると、ボウソチニの口座には2015~18年に、前の店主が経営していた頃の平均の20%を大幅に上回る、37・5%もの現金振込みが行われていた。
しかも、2015年から17年には41・8%に達し、さらに15年11月22日から同年12月7日の期間に限ると、実に92%に及んでいたという。この期間は、リオ州議の職員の13カ月給が支給される時期と一致しており、かねてから疑われている、幽霊職員を含む職員たちの給与の一部または全額を議員に払い戻させる「ラシャジーニャ」が行われた可能性を裏付けている。
検察局はさらに、2015~18年に「ボウソチニ」が所属するショッピングセンターの監察官が確認した売上額と、同店の口座に振り込まれた金額とは25%の開きがあることも確認。同店の売上と、フラヴィオ氏とサンチニ氏の口座に収益として振り込まれた額の差は160万レアルだったという。
また、アパートを使った資金洗浄では、フラヴィオ夫妻が2012年に合計31万レアルで購買した二つの物件を扱った不動産屋の口座に、31万レアルの小切手と63万8400レアルの現金を入金。2013年11月と2014年2月にそれぞれ、237%増の57万3千レアルと、292%増の55万レアルで転売したが、その間のコパカバーナの不動産相場の上昇率は11%未満だった。また、実際には81万レアル余りの収益を得たのに、税務署への申告は17万6600レアルとなっていた。
リオ州検察局はフラヴィオ氏を「汚職の指揮者」と見なしており、その言葉は19日のグローボ局のニュースでも使われた。
これに対し、フラヴィオ氏は19日、ビデオで反論を試みた。同氏は、一連の捜査で24件の家宅捜索令状を出したリオ州地裁のフラヴィオ・イタバイアーナ判事の娘は、リオ州政府で幽霊職員だ、と発言した。
リオ州政府はこれに対し、「イタバイアーナ判事の娘ナタリア氏は州政府の正式な職員で、イタバイアーナ判事が今回の捜査を担当する前に正式に当職についていた」と反論している。