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目良浩一教授死去と慰安婦問題=聖市在住 河合 英男 歴史の真実を求める世界連合会会員

2015年9月15日にサンパウロ市の広島文化センターで行われた目良浩一氏の講演会の様子

 去る12月18日、歴史の真実を求める世界連合会(米国と日本に本部)の会長、目良浩一氏が病気のため死去されました。享年86。目良氏はサンパウロに講演のため、2度ほど来られ、ポ語に訳された著書もあるので、ブラジル日系社会でも多くの方に知られています。
 氏は中国の抗日団体と韓国政府の支援をうけた、特にアメリカの韓国移民が起こした慰安婦問題に敢然と先頭に立って立ち向かわれた勇気のあるリーダーでした。
 各地での講演活動の他、この問題の決定的解決のため、アメリカ最高裁に訴訟も提出されました。また国連人権委員会にNGOとしての参加及び提案資格も獲得し、言うべきことは遠慮なく世界に向けて発言された我々日本人には非常に重要な人物でした。

何も反論しなかった当時の日本国外務省

 目良氏は1933年韓国で生まれ、東京大学建築学部を卒業した後、ハーバード大学で博士号を取得。以後、主にハーバート大学及びカリフォルニア大学で教授として勤務された学者です。国籍はアメリカ。
 米国や各国での慰安婦問題を利用した日本バッシング(叩き)は、2010年頃から始まりました。2013年にはカリフォフォルニア州のグレンデール市役所前広場に慰安婦像が建設され、その横に建てられた石碑には「20万人にも及ぶ韓国少女が日本軍により性奴隷として強制連行された」と明記されました。
 この運動が影響して、同地の日系子弟がいじめを受ける事態が発生するに及んで、目良氏はいたたまれず、同志と共に歴史の真実を求める世界連合会を結成しました。これらの著しくねつ造された情報を真実であるかのように、米国ばかりでなく全世界に広めようとする宣伝運動に断固として立ち向かわれました。
 残念ながら当時、日本政府を代表するカリフォルニア日本国総領事館は、このような日本への完全に間違った誹謗に全く何の反応も示さず、賞賛すべき協力者目良教授をPERSONA NON GRATA(好ましからざる人物)として一時、総領事館への受け入れを渋ったと言われています。

捏造された慰安婦報道

目良氏が中心になって執筆・刊行した『マッカーサーの呪いから目覚めよ日本人!』をポ語訳した『A Verdade sobre a Guerra do Pacifico』は太陽堂、竹内書店、高野書店などで発売中

 慰安婦問題というのは、もともと吉田清二と言う作家が金儲けのため、「自分は戦争中に数十人の韓国少女を強制連行した」と言う虚構を『私の戦争犯罪–朝鮮人強制連行』三一書房、1983年)として発表し、それを朝日新聞が大々的に真実の如く世界的に報道したのが、すべての始まりです。
 この朝日新聞の報道を基本的資料として、国連人権擁護委員のクマラスワミ委員が報告書(1996年)を作成し、それをもとに韓国人に買収されたアメリカ二世のマイク・ホンダが誘導して米国下院で日本政府非難決議案121号が採択されました(2007年)。
 この間、今では驚くべきことですが、日本政府は何ら明確な反論もせず、ただ韓国人を怒らせないよう平和的に物事を収めることのみに専念し、一介の虚構が日本政府の韓国への度重なる謝罪と10億円の罰金を支払うと言う屈辱的事態を引き起しました。
 また、クマラスワミ報告書が作成されていた時期に、日本の弁護士会会長の土屋公献氏が、国連で慰安婦は性奴隷であったなどとわざわざ発表しに行ったと言われており、まったくあきれた日本人がいると言う事を明記しなければなりません。
 前パククネ韓国大統領は在任中、各国を回り慰安婦問題を通じて日本の人道軽視を公然と攻撃しました。彼女は当然、慰安婦の真実はどういうものであったかを知っていたでしょうが、政治的に利用するため一国の大統領として他国の首脳に嘘を平気でつくと言う恐ろしい人間でありました。
 韓国社会には、嘘は生きる為には必要と考える生活の知恵がある事を決して忘れてはなりません。彼らには嘘は悪ではないのです。韓国は隣国で身体的には似ていても、道徳思考の面で非常に大きな違いがある事を理解する必要があります。

韓国人学者の『反日種族主義』がベストセラーに

 最近、韓国の李栄薫教授はじめ4人の歴史学者が著述した『反日種族主義』(韓国でベストセラーになっている)の本の中で、慰安婦と言うのは、昔から日本や朝鮮でも多数いた女郎、売春婦のことで、戦前、戦時中、戦後も続いており、韓国では現在も多数の売春婦、慰安婦が韓国兵やアメリカ兵の相手にして働いており、別段特別なテーマではない。しかし、この問題が今では朝鮮民族の後進的種族主義(部族主義ともいえる)とシャーマニズムが結合し、理論ではなく宗教的思考となって韓国人の頭を支配していると記述しております。
 慰安婦がプロの売春婦であった事を確実に裏付ける報告書として、1942年ビルマ戦線で日本軍と対峙していたアメリカ軍衛生班が、人道的立場から20人の韓国売春婦を選んで尋問した調査書があります(US ARMY REPORT No 49 , 1944 )。
 この報告書では、彼女らは日本兵の後を追う完全なプロの売春婦で、高給をとり自由で良い生活を楽しんでいたと書いています。当時アメリカは日本の最大の敵でしたから日本の肩をもつ調査をする必要はなく、これは全くの真実と信用して良いでしょう。

ベトナム戦争時の韓国軍の暴挙には謝罪なし

 いずれにしましても、心すべきはこの課題を初めに問題にし出したのは日本人であり、その嘘を大々的に遠慮なく利用したのが韓国人と言う事です。
 付け加えますと、韓国は70年代に起こったベトナム戦争に約30万の軍隊を送っています。彼らは一般市民の大量虐殺ばかりでなく、多数のベトナム女性を強姦し、強制移動させて慰安婦宿に連行した事実が、アメリカ情報局アーイカイブから発表されています。
 このセックス暴挙の最大の証拠は、まだ何千人ともいわれる韓国―ベトナム混血児「ライ ダイハン」が社会の偏見に苦しみながら生きている事です。これの件に関して、韓国政府は今まで一切、正式に謝罪も賠償もしていません。
 この韓国兵の暴挙を人権問題として最も強く非難しているのは英国で、この国の多数のNGOやメディアが、この問題を取り上げています。小生も連合会を通じて国連女性人権擁護委員会( UNCEDAW )に、韓国政府のライ ダイハン補償請求提案書を提出し、委員会サイトで発表させています。
 最近のNHK世論調査では、70%を超える日本人が韓国を信用していないと言う結果が出ています。やっと今になって、目良教授の教訓が日本人にも理解されるようになってきたのかも知れません。
 目良先生お疲れ様でした。ご冥福をお祈りします。