聖南西教育研究会(岡田エリーナ会長)は11月15日、13~17歳の日本語学校生徒が参加する『第20回聖南西青空スポーツ教室』をピラール・ド・スール文化体育協会のグラウンドで開催した。
日本語学校の生徒がスポーツを楽しみ、他校生徒と交流を図る目的で年に1回行われている。今年も地区内の8校(コロニア・ピニャール、イビウーナ、ピエダーデ、レジストロ、ピラール・ド・スール、カッポン・ボニート、ソロカーバ、サンミゲール・アルカンジョ)から53人の生徒が集まった。開始前から他校の仲間との再会に笑顔を見せていた。
午前9時半に開校式が始まり、ピラール・ド・スール日本語学校の教師とその卒業生2人が司会を務めた。一人ずつ名前を呼び出席を取った後、「こうして集まれたのは、先生や家族、仲間がいてこそ。皆にお礼を言いましょう」と呼びかけ、後ろで見守っていた教師陣へ「ありがとうございます!」と元気に御礼の言葉を贈った。
その後、「普段とは違い、実際の活動・生活の中で触れ合う日本語の環境。出来る限り日本語を使いましょう」と述べ、日本語学習の一環であることを強調した。
午前中は、男女各3チームに分かれ、相手チームの腰につけたタグをとり合う『タグ取り』大会を行い、午後は男子5チーム、女子4チームに分かれ『タグラグビー』大会を行った。
タグラグビーは、ラグビーを基にした競技で、タックルの代わりに各選手が腰につけたタグをとり、ボールを持って相手陣地に攻め込み点数を競うというもの。日本では体育の授業に取り入れている小学校も多く、全国大会が開かれるなど人気のスポーツだ。
短い試合時間ながらも激しい運動量が要求される両競技に、みな体調を崩すことなく取り組み、試合に一生懸命打ち込む生徒たちの姿が見られた。プレーを楽しむだけでなく、他チームの試合を見て応援したり歓声を上げたりするなど、敵味方関係なく全員の気持ちが両種目を楽しむことに向けられていた。
午後3時半過ぎに全プログラムが終了。終日走りっぱなしであったが、暑さが厳しくないこともあり、終了時、生徒皆の顔には疲労感よりも充実感溢れる元気な笑顔が広がっていた。
教師からは「うちの子があんなに必死にプレーするとは意外だった」「違う一面が見られた」との驚きと喜びの声が聞かれた。
今年唯一の17歳の佐々木奈美恵さん(カッポン・ボニート校)は、「最初は恥ずかしくて緊張したけど、楽しかった。今年が最初で最後だけど参加できてよかった」と喜び、引率で同行しずっと見守っていた母親のエミさんも、「明日はバレエの発表会があるけど、連れてきてよかった」と感謝の気持ちを教師に伝えていた。