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メトロと都電公社で犯罪増加=窃盗や強盗ともに20%増=居眠りなど注意散漫な客狙う

ニッケイ新聞 2014年1月25日

サンパウロ市とその近郊のメトロ、CPTM(パウリスタ都電公社)での昨年の窃盗、強盗の発生件数が、前年と比べて大幅に増えたと23日付エスタード紙が報じた。

サンパウロ州保安局(SSP)の調べによれば、メトロとCPTMでの窃盗は2012年の677件から昨年は805件、強盗は121件から146件に増えている。

メトロとCPTMの駅で昨年(1月から11月)起きた傷害事件は374件あり、そのうち40件が罪に問われた。

エスタード紙が入手した別の統計によれば、最も被害数が多い駅はセー駅で、窃盗は1月1日から12月11日までに136件が登録された。次に多かったのはバラ・フンダ駅で77件。ともに利用者数が最も多い駅の一つだ。ルース駅は窃盗38件、強盗7件だった。

強盗に関しては逆となる。バラ・フンダ駅は13件で、12件だったセー駅を上回った。

また、州都市交通局のデータによれば、最も窃盗が多かったのは3号線(赤)だった。少なくとも、同線18駅で窃盗415件、強盗68件が登録された。

メトロ公社によれば、100万人に一人の割合で犯罪に巻き込まれている計算になるが、100万人に1・5人の割合である世界のメトロの標準よりは低いという。

メトロの全5路線、64駅には1300人のガードマンがおり、3077の防犯カメラがある。CPTMでも1300人のガードマンを配し、防犯カメラも設置するという防犯対策が取られているという。

市警特別捜査部門のオズヴァルド・ゴンサルヴェス捜査官によれば、標的にされやすいのは注意散漫な乗客だという。「大体において被害者は車内で眠っていて、それで盗難に遭ってしまう」と説明する。同捜査官によれば、超満員の車内であれば犯行は容易になり、盗まれるものは携帯電話とカバンが最も多い。

昨年、メトロの利用者数は前年と比べて3・1%増加したが、窃盗・強盗発生件数の増加割合はそれをはるかに上回っている。2012年時点で3号線は一日に119万1千人、1号線(青)は103万9千人の乗客数を記録した。