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サンパウロ市=夏の大雨で犠牲者が発生=大陥没で車が飲み込まれる例も

 サンパウロ州ではこのところ、連日のように夏の大雨による被害が報告されているが、サンパウロ市では9日未明、雨を避けようとして鉄柵を乗り越えようとした路上生活者が、照明灯のポストに触れて感電死する事故が起きた。
 亡くなったのは、3年前にゴイアス州ゴアイニアから出てきた、カイッキと呼ばれる青年だ。この青年は、サンパウロ市中央部のリオ・ブランコ大通りにある屋根付のバス停で雨宿りをしようとして、柵を乗り越えようとしたが、足を滑らせて柵の脇にあった照明灯用ポスト(金属製の電柱)に触れてしまい、感電死した。
 この青年と共にバス停にたどり着いた仲間は、道路を横切った後、柵を飛び越えたため、電中にはかすかに触れただけで済んだが、青年は電柱で体を支える形になり、電気ショックを感じても、逃げ出す事が出来なかったという。
 通報を受けた消防はすぐに救急隊を差し向けたが、青年は既に死亡しており、蘇生させる事も出来なかったという。この日はこの青年の22歳の誕生日だったという。
 また、サンパウロ市東部のヴィラ・カルモジナでは、集合住宅(コンドミニアム)の塀が倒れ、隣接する駐車場と倉庫を直撃。塀に沿った土地が約5メートルの幅で陥没した形になり、駐車場にあった車、少なくとも2台が穴の底に墜落した状態となった。
 コンドミニアムの住民達によると、崩れた塀には以前からひび割れができており、雨が浸み込んだりしていたという。
 サンパウロ市防災局は9日、コンドミニアムの駐車場の使用を禁止。コンドミニアム内にある家屋24軒については、イタケーラ区役所の職員が派遣されるのを待って、立ち入り禁止措置をとるか否かを決めるという。
 コンドミニアムのある地域は、地盤が弱く、以前から危険地域とみなされていた。
 また、8日は、サンパウロ大都市圏でも、フェラス・デ・ヴァスコンセロス市やモジ・ダス・クルーゼス市などで、雨による被害や犠牲者が出たという報告が出ている。フェラス・デ・ヴァスコンセロスでは同日、40分間で95ミリの雨を記録。モジ市では45分間で90ミリ、ポアー市でも52ミリなど、各地で強い雨が降っており、洪水や冠水、土砂崩れなどが起きている。(9日付G1サイトなどより)