「うりずん会」会長の照屋ルジア美雪さんは2017年、沖縄県での研修から帰ってきてから、うりずん会に入った。まだ活動に参加するようになってから3年目だが、先祖との繋がりを密接に感じている。
「自分がブラジルのウチナーンチュの一人であることを誇りに思う。ゆいまーる(助け合い)、ちむぐくる(真心)、いちゃりばちょーで(出会ったら皆兄弟)といった私たちの中にある精神は団結力を高め、そのおかげで先祖たちは困難な中もブラジルで生き残ってきたから」とルーツ意識を強めている。
沖縄コミュニティの今後についてどう考えるか聞くと、「さらなる成長に期待。伝統を残すだけでなく、現代的なものや日本文化と合わさり発展していくことで多くの人を巻き込んでいきたい」と述べた。
「ウチナーンチュの心はずっと変わらないと思う」とし、世代が変わろうとも文化が変化しようとも「根本」は今後も継承されていくと考えている。最後に照屋さんは「沖縄とブラジルの距離がさらに縮まってほしい。コミュニティの明るい未来に期待する」と語った。
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一方、文化継承について「今後は時代に合わせて多少変化する必要がある」と同県人会の岩谷賢司事務局長は考えている。「例えば今ある文化にブラジル文化の要素を合わせたものは賛成だ」と語った。
これを舞踊で実践しているのが伊集(いず)ジュリアナ小百合さん(40、三世)だ。ブラジルで生まれ育ち、保険会社で働きつつ、週末は琉球舞踊の先生として若者に沖縄の心を伝える。
2018年からブラジル要素を琉球舞踊に取り入れたものを披露している。きっかけは、琉球民謡保存会ブラジル支部(座嘉比(ざかび)シモーネ会長)が三線とブラジルの音楽を合わせたものを披露したことを受け、舞踊でも同じことができないかと考えたことだった。
その結果、18年10月28日に開催された『ウチナーンチュの日 次世代の宴』で伊集さんは、ノルデステ音楽を代表する一人、ルイス・ゴンザガの名曲『アザ・ブランカ』を沖縄の伝統舞踊で踊った。
「挑戦する価値のあるものだと思った。琉球舞踊の基本を残しつつ、ちょっとした遊びを入れることで非日系の方にも興味を持ってもらい、沖縄の文化を豊かにすることができるのではないかと思う」。
小さい時から琉球民謡を習い、ブラジルにいながらもずっと沖縄コミュニティの中で生きてきた伊集さん。「沖縄コミュニティは睡眠や歯磨きと同じで、自分の生活、人生の一部である。なくては想像できないものだ」と自分にとって沖縄コミュニティがいかに大切か語った。(つづく、宮城ユカリ記者)
【首里城再建寄付金】2月10日まで受付中。振込先は以下の通り。《Associação Okinawa Kenjin do Brasil, CNPJ 62.270.434/0001-69, Banco do Brasil, Agência 1196-7 – C/C – 46.457-0》。問合わせは沖縄県人会(11・3106・8823)まで。