リオ大都市圏で水道水が濁り、変な味や臭いがするという事態が続き、同州知事や州検察局が、同州水道局(Cedae)に、早急に解決策を講じる事や水質調査の結果を公表するよう求めたと6~15日付G1サイトなどが報じている。
リオ大都市圏のリオ市西部やバイシャーダ・フルミネンセ地区住民からの水の濁りなどに対する苦情に関する報道は、6日以降止む事がない。Cedaeは浄水プロセスに活性炭を加える準備をしているが、色や臭いを気にして、ミネラルウオーターを購入する市民が急増している。
リオ大都市圏への水道水の主要供給源はグアンドゥ川にあるグアンドゥ浄水場だ。9日に同浄水場近辺を上空視察した専門家は、バーラ・ド・ピライ地区で、グアンドゥ川への水の9割を供給するパライバ・ド・スル川の水が粘土のような色になっている事を確認。パライバ・ド・スル川の水が重度の汚染・汚濁という問題に直面している事は明らかだと述べた。
また、グアンドゥ川に流入する別の河川(イピランガ川やケイマードス川)も水が黒ずむなど、水質が劣化。これらの河川の水質低下は当然、グアンドゥ川の水質低下を招く。
上空視察した専門家によると、河川の汚染・汚濁は、生活排水などの下水の垂れ流しと、それに伴う有機物質増加による藻の大量発生などが直接的な原因だ。だが、その背景には、山の裾から河岸まで家が密集し、森林伐採なども進んでいるために起きる土地の侵食などの問題もある。
同州環境研究所は、土地利用のあり方や下水処理は各市の責任としているが、専門家は、水質汚染や汚濁が進めば、浄水場でも処理しきれなくなるとの懸念も示した。
Cedaeは、「水道水の色や臭いは、藻などから発生し、雨が降った後の地面の匂いを持つ有機化合物のゲオスミンが原因。水質自体は保健省の基準を満たしており、健康上の害はない」と説明している。14日にはグアンドゥ浄水場の責任者を解任。ゲオスミンの影響は2004年にも起きており、その時は活性炭の使用は必要なかった。
一連の問題で、リオ大都市圏では20リットル入りミネラルウオーターの販売量が倍増。小瓶の販売量も30%増えているため、業界は増産のための体制を整えている。