椰子樹社(多田邦治代表)が発行する歌誌『椰子樹』383号が19年12月に発行された。《移住時は貧困に生きしわれにして節約言えば若きら笑う》(梅崎嘉明)、《訪れし日のありありと首里城の火の海となる映像胸突く》(小池みさ子)、《民の幸・世界平和を願いたまう御即位宣言の天皇陛下》(阿部玲子)、《同胞に馴染みのうすいポレンタにイタリア餅と名前をつける》(武井貢)、《なす事の山積みにして病気するひまなしと言えば嘘に聞こゆか》(寺田雪恵)、《今日ひと日つつがなく過ぎ補聴器を外せば思わずためいき一つ》(杉田征子)、《友訪えば庭のフランゴ(鶏)つかまえてわれに馳走す正月料理》(神林義明)など今回も印象深い作品がズラリ。