ボルソナロ大統領が21日、アマゾン審議会を開設し、アミウトン・モウロン副大統領を責任者とする事を明らかにしたと21、22日付現地紙、サイトが報じた。
ボルソナロ大統領や現政権は、法定アマゾンの開発に関する発言や、森林伐採・森林火災の増加などで、国際社会からも批判を浴びてきた。
アマゾン審議会の開設は21日の閣議後、大統領がツイッターで公表した。審議会は副大統領の管轄下に置かれ、法定アマゾンの保護や国防、持続可能な開発などに関連する諸官庁の活動を統括する。活動には、森林伐採の監査、土地利用に関する基準制定、経済区画の策定、環境関連のサービスへの支払いなどが含まれる見込みだ。
大統領は同時に、国家治安部隊に類した、国家環境部隊を創設する意向も明らかにした。リカルド・サレス環境相によると、新部隊は環境関連の諸機関の関係者や、該当地域や他州からの軍警で構成され、法定アマゾン中心に活動するという。
同部隊の活動資金は、ラヴァ・ジャット作戦で回復した資金で作られた基金(ファンド)から取り分け、アマゾン諸州に送付された4億3千万レアルと、連邦政府からの資金が使われるようだ。国家治安部隊は法務省の管轄だが、国家環境部隊はアマゾン審議会の管轄下に置かれる。
モウロン副大統領はアマゾン審議会開設について、「アマゾン審議会が経済活動を支援し、ブラジルへの投資を呼び込む事は間違いない」と発言。審議会の開設は、大統領が環境問題は諸機関の活動を統合して扱うべきである事を認めた証拠で、副大統領の管轄下に置いた事は、現政権が環境問題を重視している事の表れとの認識も表明した。
21日は、スイスで開催中の世界経済フォーラムでゲデス経済相が「環境の最大の敵は貧困」と語り、物議を醸した日でもある。専門家達は、環境破壊の大半は土地所有者や土地盗用者が引き起こしたもので、貧しい人達は環境犯罪により、より不安定な状況に置かれているとして、経済相の発言を批判。サンパウロ総合大学のカルロス・ノブレ教授は、「地域経済は環境を破壊するのではなく、生物の多様性を生かして発展するべきだ」とも述べている。