昨年6月にネイマールがサントスから移籍する際の契約金支払いに不正があったとの疑惑が持ち上がり、サッカーのスペインの名門バルセロナFCのサンドロ・ロセイ会長が23日に辞任を発表した。
「バルサ」の愛称で知られるバルセロナFCへの移籍に関し、昨年の6月時点でロセイ会長は「移籍金として5700万ユーロ払った」と発表していた。その内訳は、ネイマールと彼の父が営むN&N社に4千万ユーロ、サントスに1700万ユーロというものだった。
だがサントスへの支払いが不自然に低いことや、ネイマールの父とのさらに別の契約の存在があるとの疑惑があり、バルサの共同経営者が同地司法当局に訴えていた。その書類を入手したエル・ムンド紙が「9500万ユーロ支払った」との報道を行なったために表面化した。司法当局は7400万ユーロを支払ったと疑っているとの話もあり、バルサに事情説明を求めていた。
ロセイ会長は23日の辞任会長で「交渉は正規の形で行なわれているが、この不当な訴えでチームの信頼をも傷つくのは避けたい」と語り、辞任を決めたいきさつを語った。
同会長は任期を2016年まで残していたが、残った任期は元副会長をつとめていた同チームの理事、ジョゼップ・マリア・バルトロメウ氏がつとめる。
ロセイ氏は身の潔白を主張しているが、不正、それも特にブラジル絡みのものは以前からもある。1996年、ロセイ氏はスポーツウェア・メーカーのナイキのマーケッティング部長をつとめていたが、その年にブラジル・サッカー連盟(CBF)による同社との不正取引疑惑が起こっている。
その際に当時のリカルド・テイシェイラCBF会長と知り合ったロセイ氏は2008年、自身が当時経営していた企業でブラジル代表の親善試合を企画し、その際テイシェイラ氏に贈賄した疑いも持たれていた。
バルサのロセイ会長が辞任=ネイマールの移籍金疑惑で
ニッケイ新聞 2014年1月25日