ブラジル国税庁は23日、2019年の連邦政府の総税収額が1兆5370億レアルで、2018年と比較して1・69%増えた(インフレ調整済み)と発表した。24日付現地各紙が報じている。
19年の税収額は、1兆6300億レアルだった2013年以来、6年ぶりの好結果だ。
国税庁の税務研究センター所長のクラウデミール・マラキアス氏は、「19年の税収は14~6年の大型不況前の水準に戻った」としている。
19年は、耐久財、中間財など、全ての「財」の販売額が3・27%増え、サービスの売上も1%増加、さらに、名目国民総収入が3・66%増え、これらが税収増につながった。
法人税も11・09%増え、連邦政府税収を伸ばした。「民間企業は19年、期待以上の利益を上げた。多くの企業間で企業再編が行われたことも増収に繋がった」とマラキアス氏は語る。
国税庁によると、19年は個人の所得税収も11・07%増えた。マラキアス氏は、「経済基本金利(Selic)が下がったことで、国債の旨みが下がった。それにより、個人投資家がよりリスキーだが利益も大きい、株などの不確定な金融商品にお金を移した」と語っている。
産業部門別に見ると、金融機関は、18年から19年の間にインフレ率を8・2%上回る税金を納めた。経済活動の回復度を示すバロメーターの不動産部門は納税額が10・6%増え、鉱業部門も、実質的な納税額が59・7%増えたという。