サンパウロ州クバトン市に住むヤスミン・マルケス・ブリットちゃん(7)は急性骨髄性白血病と診断され、3カ月以内に骨髄提供者を見つける必要があったが、妹のアナ・リーヴィアちゃんの骨髄が100%適合する事がわかり、一家に笑顔が戻った。急性骨髄性白血病は通常、55歳以上の人が罹る病気だ。
ヤスミンちゃんは、白目の部分に斑点が現れたため、眼科に連れて行かれたが、処方された目薬を使ったら斑点が拡大。眼科医は詳細な血液検査を命じ、血液専門医に紹介状を書いた。
新たな医師は、貧血もあるが、白血球の値が高いと指摘。それから1カ月後の19年3月に、子供には稀な急性骨髄性白血病との診断が下った。
ヤスミンちゃんはサンパウロ市の専門病院を紹介され、化学療法を5回受けた。治療の効果があり、同年8月には、骨髄が新たな血液細胞を作り始めた事が確認されたため、治療は終了したが、本当に完治したかを見るため、医師達は毎月検査を行うよう命じた。
19年12月の検査では再発の兆候はなかったが、ヤスミンちゃんが足の痛みを訴え始めたため母親が医師に伝えたところ、再検査が行われた。
再発が確認されたのは今月6日。知らせを受けた母親のダニエラ・クリスチーナ・デ・アラウジョ・ブリットさんは、9日から始める化学療法は最初のものよりずっと強く、本人の健康を損なう可能性があるとの警告も受けた。医師達はダニエラさんに、「最初の化学療法は5日間だが、本人の健康を損ない得るから、全部で3回までしか行えない。3カ月以内に100%適合する骨髄提供者を見つけるように」と伝えた。
医師達は、ヤスミンちゃんが幼くして発病した事や、化学療法を受けた後に再発した事を重く見、50%ではなく、100%適合する提供者を求めたのだ。ダニエラさんと夫は、1歳のアナちゃんと共に適合検査を受ける一方、国内外の骨髄バンクに100%適合する提供者がいないかを問い合わせ始めた。
朗報が届いたのは21日夜。アナちゃんが100%適合する提供者となりうる事が確認されたのだ。医師達からは「両親には50%のチャンスがあるが、アナちゃんの場合は25%のチャンスしかない」と言われていたダニエラさんは、「提供者が見つかった」との連絡を受けた時、アナちゃんの名前が出るとは思っておらず、驚きと歓喜に包まれた。
ダニエラさんは「神様の哀れみ」と感涙を流した後、入院中のヤスミンちゃんの世話をしてくれている看護婦を抱きしめた。ダニエラさんは、アナちゃん誕生までに様々な事があった事、生後1カ月でヤスミンちゃんの病気が見つかった事などを思い起こし、「アナは姉の人生を作り変えるために生まれてきた」と思っている。
骨髄移植に向けた諸準備は別の医師が担当するため、ヤスミンちゃんは一旦退院し、帰宅する。
ダニエラさんは「3カ月以内に見つけろといわれた適合者が1カ月もせずに見つかるなんて。アナは本当に最善の時に生まれてきたのよ。神様は本当に素晴らしい。治療は必ずうまく行くわ」と語っている。(13、22日付G1サイトより)