聖南西文化体育連盟(UCES、山村敏明会長、25団体)は18日、ピエダーデ文化体育協会会館で2020年定期総会を開催し、各文協の代表者53人(17団体)が出席した。役員改選では、11年目となる山村会長の続投が決定した。山村会長は「お前が任期中に始めた300万基金プロジェクトなんだから、2年以内に完成させるようにがんばれと発破をかけられたと思っている。なんとか成し遂げたい」との抱負を語った。イベントでの食事代を各自負担にすることで各部会への予算を増やすなど、皆で知恵を絞り、やり繰りを工夫する会議となった。
最初に午前8時半から、28人が参加して評議員会(福寿保広(ふくじゅ・やすひろ)会長)が開催された。古川シルビオ議長の進行により、2020―21年執行部を誰にするかが議論され、会長に山村、第1副会長に古川、第2に南満(みなみ・みつる)、第3に高野信喜(のぶき)各氏、正補監査役には渡辺勝米(しょうべい)ら7氏などが選ばれた。
つづいて定期総会となり、開催地ピエダーデの菅野(かんの)哲夫会長があいさつし、古川氏が議長に選任された。2019年度の活動報告(26行事)、18~19年度会計報告(収支とも9万2458・85レアル)が承認された。
本年度活動として次の日程が発表、承認された。▼サンミゲル・アルカンジョ「ブドウ祭り」2月14、15、16日▼ピラール・ド・スル「ブドウ祭り」3月13、14、15日▼定期役員会3月14日▼ピエダーデ柿祭り5月15、16、17日▼マイリンキ「全伯ゲートボール大会」5月16、17日▼オザスコ第11回日本祭り6月6、7日▼マイリンキUCES陸上大会、イタペチニンガ6月祭り6月14日▼タピライ定期役員会6月20日▼サンロッケ国士館さくら祭り7月4、5、11、12日▼タピライ・ショウガ祭り、レジストロ寿司祭り7月10、11、12日▼ソロカバ笠戸丸祭り7月25、26日▼コロニア・ピニャールびわ祭り9月5、6日▼イビウナ定期役員会9月12日▼ヴァルゼン・グランデ・パウリスタ政治家懇親会10月16日▼レジストロ灯ろう流し10月31、11月1、2日▼イグアッペ桂祭り11月6、7、8日▼レジストロ定期役員会・忘年会(全て予定)
20年度予算は収入5万2728・42レアル、支出4万2835レアルで承認。従来はイベント時の昼食代はUCES負担だったが、今年から本人が25レアル、弁当なら20レアル負担することにし、その分の費用を日本語やスポーツ、和太鼓などの部会に割り振ることが決められた。
最後に役員改選が行われ、評議員会の決定事項が拍手で承認された。
11年目の続投を決めた山村会長は「300万基金プロジェクトが最終段階にある。これを完成させたい。金利が急激に下がったことを受け、目標を250万レに下げ、運用益の利用を始め、日本語教育に力を入れたい。あと2年一生懸命にがんばりたい」と述べた。
当日は新規加盟希望のシッポー文化体育協会(鶴田シゲタカ会長)も出席し、その場で加盟が承認された。25団体目。出席した安岡貞夫監査役は「ゲートボール大会に参加したいので加盟を願った。活発に活動している聖南西に入ることで、会に刺激になる」と語った。
参加したマイリンケ文協の赤塚哲夫会長は「今回もいろいろな議論が行われた。聖南西は皆が議論して決め、力を合わせて運営していく姿勢が良い」との感想をのべた。
□大耳小耳□関連コラム
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『300万レアル基金プロジェクト』とは、資産家の天野鉄人氏が提案したもの。傘下団体が規模に応じて資金を出し合って、それに天野氏が寄付を足して基金を作り、銀行で利子運用することで300万レに増やす計画だ。天野氏が支援を始める以前は毎年赤字決算だった。この基金を達成した時点で、運用益の一部をUCESの運営費に回すことで、より充実した活動を安定して行えるようになる。
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ただし『300万レアル基金プロジェクト』には予測不能の金利下落が起きた。2016年1月には14・25%あった基本金利が急激に下がり、現在は4・5%になってしまったのだ。その関係で、利子で300万レに増やすにはより長い年数が必要になり、あまり待つ状況が続くと会員が高齢化して活動が停滞する恐れがある。そこで目標金額を250万レに下げて、来年からでも運用益の一部を使う話が出ている。300万レにこだわって活動が停滞化するより、すぐに活性化のためのカンフル剤をうつべき時期に来ているようだ。山村氏は、訪日修学旅行の実現など日本語学校の活動充実化に特に投資したいと考えているとのこと。たしかに子供の成長は待ってくれない。教育への投資は待ったなしだ。