ホーム | 日系社会ニュース | サンパウロ市=使い捨てプラスチック食器禁止=買い置きはやめた方が賢明=県連「ものすごく影響ある」

サンパウロ市=使い捨てプラスチック食器禁止=買い置きはやめた方が賢明=県連「ものすごく影響ある」

飲食店などでの使用が禁じられたプラスチック製のコップやナイフなど(Rovena Rosa/Agecia Brasil)

 サンパウロ市では使い捨てのプラスチック製皿、コップ、ナイフ、フォーク、ストローなどの食器類を、イベント用に大量に買い置きするのはやめた方が賢明――県人会など日系団体のイベントでは、料理を提供する際に、よくプラスチック製の皿、コップなどの食器を使っている。これがサンパウロ市では来年から禁止になった。サンパウロ市議会で決まった条例に13日、ブルーノ・コーヴァス市長が署名をしたことで正式に決まった。

 

 

 ブラジル日本都道府県人会連合会の山田康夫会長は「ものすごく影響がある。県人会の内輪のイベントでは関係ないだろうが、一般向けの日本祭りには影響が大きい」と見ている。「特にプラスチック製のフォークやナイフは代用品が思いつかない。ただ禁止するだけでは困る。市の方で『これを使って』という模範的な代用品を示してほしい」と要望する。しかも代用品は同じぐらいの価格でないと採算面で難しい。「大量の買い置きはしない方が良い。我々も成り行きを注目して分析、検討を続けたい」と語った。

 13日付アジェンシア・ブラジルおよび同日付G1サイト記事によれば、サンパウロ市のコーヴァス市長は同日、飲食店やイベント会場での使い捨てプラスチック製品の使用を禁ずる条例を正式に裁可した。

 対象となるのは、ホテルやバール、レストラン、パン屋、子供向けのフェスタ会場、ナイトクラブ、ダンスホール、スポーツや文化的なイベントの会場など。コップやナイフ、フォーク、皿、飲み物を撹拌するスターラー、風船を結びつける棒(vara)といった使い捨てのプラスチック製品全般が禁止される。

 これらの製品は今後、トウモロコシなどの繊維を用いた、分解が速い生分解性(biodegradavel)の製品や、マカロニなどの食品材料を使い、堆肥化が可能な材質の製品、陶器や金属製の再利用可能な製品などに取り替える必要がある。

 同条例の正式施行は2021年1月1日。飲食店などでは今年いっぱいで代替品に取り替えなければならない。

 初回の違反摘発時は警告だけだが、2度目は罰金が1千レアル。3度目は2千レ、4度目と5度目は4千レと増していく。違反摘発が6回目になると、罰金8千レと営業停止が言い渡される。営業停止命令に背いた場合は、警察も同伴の上で店舗を封鎖。レンガやセメントなどで出入りを阻止する措置をとる事もあるという。

 サンパウロ市では2019年6月25日にプラスチック製のストローの使用を禁止する条例が公布され、各店舗が紙製のストローを用意するなどの対応を迫られた。同市長は記者会見で「プラスチック製のストローを禁じる条例を裁可した時、取り締まりが出来るかと疑問視する声があった。だが現在はプラスチック製のストローを見かけなくなったはずだ。市条例は市民文化を変革した」と続けた。