ブラジル中銀が29日に発表した2019年の年次クレジット報告書によると、昨年は経済基本金利(Selic)が下がったのに、銀行がその分を個人や企業に融資する際の金利に反映させず、利益を拡大した事が分かった。30日付現地紙が報じた。
銀行は、中銀から借りる際の金利(Selic)と、消費者に貸す際の金利の差(スプレッド)で利益を上げる。中銀は19年、年初は6・5%だったSelicを、年末までに4・5%へと下げた。
中銀によると、18年末の平均スプレッドは17%ポイント(P)だったが、19年末には18・4%Pに広がった。その間、銀行が個人や法人に融資を行う際の平均利率は、23・2%から23%へと、0・2%P下がっただけだった。
スプレッドの拡大は、対個人融資、対法人融資の両方で起こっている。銀行は、自分たちが融資する時の金利をSelicが下がった分と同じだけ下げられない理由として、融資の焦げ付きに備えなくてはいけないとしている。
しかしながら、返済期限から90日以上も返済が行われない債務不履行のケースは、2018年末も2019年末も、全体の2・9%のままで変わっていない。