【既報関連】中国で流行が始まり、現在、世界中で脅威となっているコロナウイルス。1月30日にはジュネーブで開催された世界保健機関(WHO)の緊急会合で、「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」が宣言された。
ブラジルでは発症者こそ確認されていないものの、ブラジル保健省発表の擬似症(検査中)の患者数は、1月30日午後4時現在の9人が、31日午後4時には12人となった。また、発生源である中国の武漢に取り残されているブラジル人の反応などを、1月30、31日付ブラジル紙・サイトが報じた。
30日は3人が検査中と発表されたサンパウロ州では、1人が感染の疑いが晴れた一方、5人が新たに検査中となった。検査結果待ちの2人と合わせると、サンパウロ州で検査中なのは7人となる。
リオ州とミナス州では30日時点では1人ずつが検査中だったが、それらの患者は31日に感染の疑いなしとなり、両州の検査中の患者数はゼロになった。
29日に検査中が2人いて、30日にそれがゼロになっていたサンタカタリーナ州では、31日にまた1人、検査中が増えた。
この他、パラナ、セアラー州に1人ずつ、リオ・グランデ・ド・スル州に2人の合計4人いた検査中患者は、31日も引き続き検査結果待ちだった。
ブラジル保健省は、全国規模で、コロナウイルスの患者や擬似症患者専用の集中治療室(UTI)を1千床増やすための入札を行うことも発表した。
現在、ブラジル国内の主要空港では、コロナウイルス感染時に出る症状の説明と、感染防止方法などをポルトガル語、英語、中国語でアナウンスしている。
グアルーリョス国際空港では、空港職員がマスクをつけて職務に当たっている。サルバドールの空港ではジェル状の除菌アルコールの容器が各所に設置された。しかし、欧米諸国とは異なり、ブラジルでは、到着客に対する体温のサーモグラフィー検査は行われていない。
また、武漢に本拠を置くサッカーチームに所属する、元浦和レッズFWのラファエル・シウヴァはブラジル紙に対し、「スペインのセビーリャでキャンプ中で、武漢にはいない。2月18日までここでキャンプの予定で、今後どうなるかは分からない」と語った。
また、昨年までコリンチャンス女子でプレーしていたブラジル代表のミレーネは、武漢の女子サッカーチームに移籍するために武漢を訪れていたが、街が隔離されたため、1月17日以降、アパートから出られない状態にいる。ミレーネはブラジルのスポーツニュースサイト宛にビデオメッセージを送り、「何日も家から出られない上、トレーニングも出来ず、心配している。自国民をチャーター機で脱出させた国もあると聞いている。ブラジル政府も何とか同じようにしてもらえないか」と語った。